マネージャーは、最低でも月1で部下と個別ミーティングをすることをおすすめします。
別に業務終了後に自腹で慰労しなければならないわけではありません。
業務中の個別ミーティングで十分な効果が得られます。
今回は私自身の経験をもとに具体的にお話しします。
個別ミーティングが必要だった理由
私は、過去20年以上の営業人生の中で、固定給の会社に身を置いたのは2年間だけです。
あとは、独立するまでに所属した全ての会社がフルコミッションでした。
完全歩合給の世界に身を置いたことがある方はご存知かもしれませんが、稼げない人間から恐ろしい勢いで次々と居なくなっていくのがフルコミの世界の常識。
幸い私は1度も借金せずに稼ぎ続けることが出来ましたが、問題なのはマネージャーになってからでした。
固定給が出る会社であれば、半年~1年かけてじっくりと部下育成する時間がありますが、フルコミッションの会社ではそんな悠長なことは言ってられません。
大抵の人は、そんなにお金に余裕がない状態で入社してきますので、遅くとも3ヶ月くらいで稼げるようにならなければ、辞めていってしまうんですね。
ですから、その短い間に部下との信頼関係を築いて売れる営業マンに育成する必要があるのです。
自腹を切って奢ってもそれほどの効果はない
最初に言っておきますが、「部下に対してお金を使うな」とか「全く部下に奢る必要がない」という意味ではありません。私自身もお金がない若いときに先輩に色々なお店に連れて行ってもらってごちそうになったのは嬉しかったですからね。
実は、私はそんな先輩方の一人からこんなことを言われたことがあるんです。
それは、私がこんなことを言ったときでした。
「何かいつも奢ってもらってばかりですみません。」
すると、先輩からこんな風に言われたんですよね。
「白井さぁ~、お礼なんていいんだよ。お前に後輩や部下が出来たときに同じようにしてやれよ!」
この一言がずっと頭に残っていた(というか今も残っている)私は、自分が稼げるようになってからというもの、部下には本当に多くのお金を使ってきました。
多分、高級外車2~3台分では済まない金額だと思います。
(計算するのも怖いのでしませんが…)
結婚して妻が嫌がるので辞めましたが、若いときは元気のない後輩社員をキャバクラに連れて行って一晩に5万円とか使っていましたからね。
もちろん、そんな慰労でやる気を出してくれた部下もいましたが、その効果は年々薄れてきてしまいました。
「業務終了後は、少しでも早く仕事から解放されたい!」
こんな若者が増えてきましたからね。
そういう人にとっては、たとえ上司の奢りでも迷惑以外の何ものでもないのでしょう。
ですから、たまには業務後に課のメンバーを集めて飲みに行くのが悪いとは言いませんが、今のご時世は必ずしもプラスになるとは限らないということを覚えておきましょう。
業務時間中の個別ミーティング
さて、今度は成果があがった話ですが、私は業務中の個別ミーティングをすることで劇的に効果をあげた経験があります。
当ブログで事例として話した以下の2つの例は、この個別ミーティングが功を奏したときの話です。
【参考】クロージングのコツは「ポンッ!」と背中を押してあげること
【参考】営業に不向きな女性がトップセールスになった実話
別に難しいことはありません。
月末や月初の全体会議などの日に、部下ひとりひとりと30分ずつミーティングの時間をとるだけです。
そのときの注意点としては、マネージャーである自分とミーティング相手の部下の完全な1:1でミーティングすること。
開いている会議室を使わせてもらってもいいですし、狭いオフィスで1:1になれる空間がないのであれば、近くのカフェでコーヒーを飲みながらでも構いません。
これ、意外と効果があります。
会社というのは、色々な人間関係が渦巻いていて、マネージャーであるあなたの知らないことが沢山あるわけです。
ですから、周りの目を気にしなければならない状態では、たとえ部下があなたには心を開いていたとしても、本音を話すということはありません。
ちなみに、私が業務中の個別ミーティングをはじめたきっかけは、上記リンクにある女性の部下を持ったのがきっかけでした。
女性をキャバクラに連れて行っても喜ばないでしょうし、男性のマネージャーが業務終了後に女性の部下を誘うのは良くないと思ったんですよね。
それがきっかけで業務中の個別ミーティングをはじめたわけですが、実は部下が育っただけではなく、自分自身にもいいことがありました。
まず、お金がかからなくなりましたね(笑
私の経験から言えば、キャバクラの5万円も、スタバのコーヒーの420円も、部下にとっては金額でどちらがいいということではないんですよ。
「俺はお前をちゃんと見ているぞ!」
「何かあったら、何でも相談にのるからな!」
こんな安心感や信頼感の方がずっと大切なわけです。
もちろん、1回で成果が上がるとは限りませんので毎月続けることが大切ですし、ときには緊急で個別ミーティングを設ける必要もあるでしょう。
本日のまとめ
マネージャーは部下に対して出来る限り公平な立場をとる必要がありますので、月に1回くらいはひとりひとりの話をじっくり聞いてあげたらどうでしょうか。
極端な話、内容なんて何でもいいんですよ。
気を付ける点といえば、自分の話や考えを述べるのでなく、部下に話しやすい雰囲気を作ってあげることです。
やったことが無ければ、是非取り入れてみてください。
得るものはかなりありますよ。