
商談には、アプローチ、ニーズ、商品説明、料金説明、クロージング、契約、クールダウンの7つのステージがあります。
そして、トップセールスマンは、それぞれのステージの進め方や注意点などのコツをしっかりとつかんでいるから数字が上がるんですね。
そこで今回は、新人営業マンや営業未経験者向けに商談の超基本!7つのステージと注意点をお教えします。
商談の7つのステージ
どんな商材やサービスでも商談には型があり、それは個人営業・法人営業共に例外はありません。
超基本的なことですが、解りやすく注意点をまとめますので、自分の商談と照らし合わせてみてください!
アプローチ
商談におけるアプローチは以下のようなものを差します。
- あいさつ
- 名刺交換
- 会社説明
- 世間話
アプローチは接近という意味で、まさに初めて会うお客さまと営業マンの距離を縮めるステージと言えます。(営業の本などによってはクラッチ合わせともいう)
このステージで気を付ける点は、第一印象。
もちろん、会社説明や世間話が大切ではないとは言いませんが、髪形や服装、表情やしぐさ、話し方や声の大きさなどの第一印象がいいだけで「お!感じがいい営業マンだな」とか「怪しくはなさそうな感じだな」と思ってもらえるので細心の注意を払うべきです。
そして、「完璧!」と絶賛されるような営業マンは意外と少ないので、このステージでいきなり他の営業マンと差別化することも可能です。
ニーズ
ニーズとは必要性の意味です。
特にBtoCの個人向け商品やサービスを扱っている営業マンにとっては、ニーズが上手かどうかは非常に重要な要素になります。
例えば、法人の場合は業績を上げ続けなければならないという宿命があるので、「業績が上がること」と「コストが削減できること」などに関しては営業マンが訴えるまでもなくニーズがあります。
しかし、個人の場合は命に関わること以外で「今すぐ何とかしなければならない」ということは余りありません。教材があってもなくても、浄水器があってもなくても生きていけますからね。
ですから、このステージではお客さまに恐怖を与えることが出来るかどうかがポイントとなります。
人間は自分の身に降りかかるリスクやトラブルには敏感ですので、リアルな恐怖を与えれば与えるほど行動(契約)を起こしやすい心理になるのです。
商品説明
アプローチとニーズの後はいよいよ商品説明のステージですが、この商品説明が実は奥が深いんです。
そして、「商品説明は上手だ!」と営業マン自身は思っているのですが、実は下手な営業マンが多いので詳しく解説します。
長い商品説明はNG
商品説明が長すぎる営業マンが多い…
営業マンとしては「これを伝えなきゃ、そうだ!あれも伝えておこう」って考えますが、お客さまは興味のない内容は聞いていません。
ですから、営業マンは目の前にいるお客さまのメリットに繋がるような部分をピックアップして商品説明をする必要があります。
専門用語や横文字はNG
車の営業マンが主婦のお客さまを相手に「トルクが…」などと言っても「?」と思われるのがオチです。
しかし、専門用語や横文字を使って説明する営業マンって多いですよね。
下手をすると「感じ悪い営業マンだな…」って思われかねないので、出来るだけ使わないようにしましょう。
商品を通して夢(メリット)を与える
商品説明の目的の1つに「夢(メリット)」をお客さまに与えるというのがあります。
そして、ニーズの恐怖が強烈であればあるほど、商品説明での夢が効くんですね。
考えてみて欲しいのですが、浄水器を買う人は浄水器自体が欲しいわけではありません。
「この浄水器って、す・て・き!」こんな人にあったことありますか?(笑
浄水器を買う人は、浄水器を使うことで得られる「きれいな水」にメリットを感じているわけです。
ですから、「この浄水器のお水でご飯を炊くと匂いから違いますよ!」とか「この浄水器の水で作った氷で水割りを作ってみてください!
本当に美味しいですよ」のように商品やサービスを使ったときの具体的なメリットを解りやすく提示してあげるのがポイントです。
欲しいと思わせること
商品説明の目的の2つ目は、欲しいと思わせることです。
通販や実演販売などを見ていて「欲しい」って思ったことありますよね。
でも、「欲しい!」ってお客さまに思わせられる営業マンは多くありません。
じゃあ、どうすればいいかですが決して難しくはありません。
商品やサービスを触らせたり、使ってもらうことで「欲しい」と思わせることが出来ます。
例をあげると、車の営業マンは必ずお客さまに試乗を促しますよね。
やっぱり、カタログを見ながら説明を聞くより、実際に運転した方が「欲しい!」と思ってもらえますからね。
ですから、実際に商品に触ってもらったり、使ってもらうようにしてください。
お客さまの反応が違ってきます。
料金説明
料金説明で大切なのはお得感です。
「安い!」と思わせることが出来れば、あとは契約へとすんなりすすみます。
例えば、何故高額の教材を購入するお母さんが多いのでしょうか。
もちろん、子供の将来のためという理由もありますが、「塾や家庭教師に比べればずっと安い」とか「今からしっかり勉強してくれて公立に進んでくれたら経済的にありがたい」という「お得感」があるからなんですね。
通販番組のお約束に「お高いんでしょ~」ってセリフがありますよね。
あれも、「高いんじゃないかな…」と一度思わせておいて、予想より安い金額を提示することで、お客さまにお得感を感じてもらうというのが狙いなのです。
クロージング
アプローチ→ニーズ→商品説明→料金説明とそれぞれのステージをしっかりとすすめれば契約になりそうなものですが、やっぱりお客さまが決断するきっかけは営業マンが作ってあげる必要があります。
しかし、とにかく売り込まれるのが嫌いな人が多い世の中ですから、「では、ご契約でよろしいでしょうか?」や「こちらにサインをお願いします!」よのうな直接的なクロージングをすると拒絶されてしまう可能性が高いんですね。
そこで、上手に使いたいのがテストクロージングです。
大切なところですので、具体的な例をあげて説明しますね。
車のディーラーの営業マンが「そろそろクロージングのタイミングだな」という状況だったとします。しかし、お客さまには買い替えのニーズがあるとはいえ、高額の買い物ですので悩んでいる様子も伺えます。
こんなときにテストクロージングを使うと契約率をアップさせることが出来ます。
「お車の色ですが、白とグレーではどちらがよろしいでしょうか?」
「オプションの○○はお付けしますか?それとも必要ありませんか?」
上記のように、ハッキリと「買う」と意思表示していないお客さまだったとしても、購入することを前提に契約の方向へ誘導します。
このときの注意点は以下の通り。
二者択一
契約させられることに対して抵抗があるお客さまを契約に誘導するいい方法は「二者択一」です。
上記の「お車の色ですが、白とグレーではどちらがよろしいでしょうか?」という二者択一は「白」と「グレー」という選択肢を与えてはいますが、「買わない」という選択肢はありません。
ところが、お客さまは自分の意思で2つの中から1つを選択する余地が残されているので、強引さを感じることがないのです。
相談にのってあげる
クロージングが下手な営業マンは、「買う」「買わない」でお客さまと戦ってしまうんですね。
しかし、これでは強引だと思われてしまいます。
クロージングの段階で営業マンが戦うべき相手は「お客さまが決断できない理由」です。
例えば、支払いで悩んでいるお客さまであれば、今の車を少しでも高く売却する方法などを教えてあげたり、お客さまと一緒になって一所懸命考えてあげればいいのです。
「車を買うならこの営業マンからがいい!」ってお客さまに思ってもらえると、契約がグッと近づきます。
決め手は日時のテスクロ
テストクロージングは、何種類でも何度かけてもいいのですが、最終的にお客さまの決断を促す決めてのテストクロージングは「日時のテスクロ」にしてください。
「お車の御引渡しですが、何曜日が都合がいいとか、午前中・午後などのご希望はございますでしょうか?」
このようなテスクロに対して「そうですね… 土日の午前中がいいかな…」のようにお客さまが答えた場合は勝負あり。「承知しました。そちらで調整できるかどうか確認を取ってみますね」で一気に契約のステージへと進むことが可能です。
契約
ここまでくれば、よほどのことが無い限り契約になりますが、だからと言って油断は禁物です。
以下の点に気を付けて契約をしましょう。
- 手際よく契約をすすめる(お客さまの気がかわらないように)
- 契約書の読み合わせなどはしっかりする(契約後のトラブル回避)
- 書面の不備は絶対にしない(契約が無効になる可能性がある)
契約の決断をした後は、お客さまも気が抜けています。
「そんな説明聞いてないよ!」のようなことを無くすためにも、営業マンは気を引き締めましょう。
クールダウン
契約を交わした途端に「ありがとうございました!」と速攻で商談を切り上げる営業マンがいます。
しかし、「契約後にもうひと仕事残っている」のを忘れてはいけません。
キャンセル防止
車などのクーリングオフが無い契約は少数で、ほとんどの場合「クーリングオフ」があります。
契約した直後はお客さまも興奮状態にあるので、少し落ちつかせておかないと高い確率でキャンセルがきますので気を付けるようにしましょう。
紹介のチャンス
実は紹介が一番もらえるのが契約の直後です。
商談をさっさと切り上げる営業マンは、紹介のチャンスを自分から無くしています。
ですから、契約後は毎回紹介を狙うようにしてください。
ただ、「使ってみないとわからない」というお客さまもいますので、そういう場合は「では、使ってみて良かったら、是非ご紹介くださいね!」と言っておきましょう。
これだけでも、紹介件数が違ってきますよ。
本日のまとめ
少々長くなりましたが、一連の流れを把握して欲しいので一気に解説しました。
一日も早く商談のコツをつかんで売れるようになれることを祈っています!