久々の再開でリクルーティングするという無謀というか失礼な作戦を実行した結果はどうなったのでしょうか。
また、想定外の問題も出てきたので、今回はその件についてお送りします。
超長文メールが決め手に
さて、元上司をリクルーティングした翌日、会社に出社すると社長が私に携帯電話を見せてこう言ってきました。
「実は、あの後Mさんにこんなメールを送ってみたんですよ!」
「見ていいですか?」といってガラケーの小さい画面を覗き込んだところ、送られたメールは何回スクロールしても終わりに辿りつかないような超長文メールでした。
社長はとても頭の回転が早く、私が全く考えつかないような角度で物事を診る能力がある人なのですが、その一方で、とんでもなく回りくどいという欠点もある人…
「うわっ!めっちゃ長いな!!」
私は、もともと回りくどいのが嫌いな性格なので、正直言って「何が言いたいのかさっぱりわからないメールだな」と思いましたが、まさかそんなことは言えません。
「い、いいんじゃないですかね…」
しかし、世の中何が正解で何が不正解か解らないものですね。
その社長が送信したメールに心を打たれたMさんは、前向きに考えてくれることになったのです。
本当に仕事が出来る人間は環境なんて関係ない
さて、そうなると当然ですが「一度オフィスを見に行っていいですか?」という流れになります。
しかし、ここで問題なのが、私達のオフィスはワンルームマンションの1室だということ。
8畳一間に4人のデスクがギュウギュウにあるようなオフィスを見て「やっぱり止めようかな…」って躊躇されてしまう可能性は十二分にあります。
ましてや、無事に年を越せたとはいえ、たいした実績があるわけでもありません。
普通の人間なら「止めとこうかな…」って100%不安になると思います。
創業メンバー4人で知恵を絞って考えましたが、いくら考えてもいいアイデアが浮かんできません。そうそう、唯一出来たことといえば、スカスカの予定表にありもしない予定を書きこんだことくらいです(笑
何とも小賢しいですが、私達にはその位しかできることはありませんでした。
肝心の結果ですが、Mさんは私達の会社の一員になってくれる決断をしてくれました。
これは後日談ですが、「何でこんなドベンチャー企業でやってみようって思ったんですか?」という質問に対し、Mさんはこう答えてくれました。
「なんか一所懸命頑張っている感じが伝わってきたから!」
出来る男は違いますね。
環境なんて自分次第でどうにでもなると思っているのでしょう。
想定外の問題
100%活躍が期待できる人財を迎え入れることが出来ることに、我々創業メンバーは沸きました。
しかし、世の中そんなに甘いものではありません。
このリクルーティングには2つの大問題がありました。
ひとつは、オフィスが手狭になるという問題。
現状4人でもギュウギュウで、まったく余裕がないのでMさんを迎え入れるスペースがありません。
しかし、広いオフィスに移転すれば、敷金や礼金、前家賃などの負担がかかりますし、家賃がアップして毎月のランニングコストがアップします。
そして、もうひとつはMさんには借金がありました。
要するに、やっとのことで年を越せたようなベンチャー企業に、思わぬ金銭的な問題が浮上したのです。
石橋を叩いて渡らない
「こんな感じの慎重派の社長はどうするんだろう…」
こればかりはトップである社長の判断に任せるしかありません。
もしかしたら、「この話はとん挫するのかな…」と不安を感じていたのですが、このときの社長の決断力と行動力には素晴らしいものがあったんです!
この続きは、次回お送りしますね。