守破離って言葉が一時期流行りました。
しかし、守破離の意味を何となくしか解っていなかったり、誤解しているビジネスマンが多いのも事実。
そこで今日は「守破離」について改めて考えてみましょう!
守破離とは
まずは守破離について書いてある以下の引用を見てください。
守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもある。
更にこのように続きます。
まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。
守破離について端的にまとめられた説明で、とても解りやすいですよね。
しかし、字面で「わかったつもり」なのと、「本当の真意がわかっている」のとでは大違いです。
そして、後者の解っているつもりのビジネスマンが多い気がするんですよね。
オンリーワンとか多様化という流れ
アイドルグループSMAPの世界にひとつだけの花の歌詞の中に「ナンバーワンよりオンリーワン」
という歌詞があるのはご存知ですよね。そして、その曲は大ヒットしました。
この曲がヒットしたのはSMAPの人気と楽曲の良さも大きく影響していると思いますが、「個の時代」に受け入れられやすかったという要因もあります。
また、最近よく聞く言葉に「働き方の多様化」という言葉があります。
もちろん、正社員になりたくてもなれずに大変な思いをしている方も多いと思いますが、その一方で「雇われることへの抵抗」「今までのサラリーマン的働き方の否定」という考えの方が増えているから生まれた言葉だと感じます。
そのような中、守破離の「守」の部分をすっ飛ばして「破」や「離」ばかりを追い求めるビジネスマンが多くなっている気がするのは私だけでしょうか?
守破離の「守」の重要性
道を究めようとしたときに非常に参考になる「守破離」
ですから、武道、茶道、華道などをはじめ、あちこちで「守破離」の精神や思想は大切にされています。
そして、これはビジネスも例外ではありません。
仕事道、会社道、営業道etc
毎日当たり前のように働いているとルーチン化してしまって特別なことに感じなくなってしまいますが、ビジネスだって極めようと思えば奥が深いですからね。
しかし、「守」を嫌がったり、すっ飛ばしたり、とにかく価値を感じない方が本当に多い。
まるで「遠回りなんてしたくない。俺は俺のやり方で行く!」と言わんばかり…
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
将棋の世界には「定石」というものが存在しますよね。
攻め方には「居飛車」「中飛車」「四間飛車」などがあり、守り方には「矢倉囲い」「美濃囲い」「穴熊囲い」などがあります。
そして、これらの定石は、過去の棋士たちが数えきれないほどの勝負をもとに考え出した「型」であり、勝率が良かったり、敗戦率を下げることが出来るからこそ使われ続けてきているわけです。
もっと、具体的に言えば、将棋の代表的な第一手に「7六歩」「2六歩」というのがあります。
将棋が判らない方にもわかりやすく言えば、駒の中でもっとも機動力のある「飛車」と「角」が動きやすいように道を開けるという狙いがある一手を最初に選ぶのが定石になっているのです。
もちろん、将棋の世界にも「奇襲」と言われる相手の意表をつく戦法もあります。
しかし、成功すれば考えられないようなどんでん返しを起こせる一方、大失敗して惨敗してしまうリスクは高くなってしまいます…
では、新入社員や新人営業マンが、最初に覚えるべき「型」(守)をすっ飛ばしたらどうなるでしょうか?
ビジネスだけが例外ということはありません。
結果はご想像がつくと思います。
当ブログでも過去に「型」の重要性について書いたことがあるので、よければ参考にしてください。
【参考】営業が未経験の人が短期間で戦力になる為には - 型が重要 -
守破離で大切なこと
「守」の重要性についてはお解りいただけたと思いますので、その以外の大切なことについてもお話ししておきます。
順番を守る
何故「守破離」という言葉になっているかといえば、「守→破→離」という順番を示しているからですよね。
ですから、「守」をすっ飛ばしてもいけませんし、「離→破→守」と順番が逆になってもいけません。
特に「守」に関しては、「破」や「離」よりも時間がかかり根気がいる傾向がありますので我慢が必要です。
こんな話ばかりすると、私のことを「昔の考え方をする人」って思う方もいるかもしれません。
しかし、私はどちらかといえば超合理主義。無駄なことは一切排除したいタイプです(笑
それでも、「守」を大切にするのは、自己流でやるより「守」(型)を習得した方が回り道のようで実は近道だと経験から実感してるからです。
離を極めたら守に戻る
「守→破→離」と順番通り進み、「離」を極めたら終了ではありません。
今度はその「離」を「守」(型)として確立するようにしてください。
「守」として確立すべき理由は安定感。
常に一定のパフォーマンスが出せるところまで昇華することが狙いです。
そうすれば、本当の意味であなたの武器になるでしょう。
本日のまとめ
そういえば、ここ数年で「俺の!」というネーミングの商品やお店が増えました。
これも、「個性を重視する時代」が反映された結果だと思います。
ビジネスにおいても「俺の!」といった感じで「自己流」を模索するのがいけないとは言いません。
しかし、先人たちの知恵や経験を無視する必要もないですよね。
使えるものは全部使ってやろうという考え方の方がよりいい仕事が出来ると思いますよ。