BtoCの商談のクロージングで越えなければならない「主人相談」
このハードルが高く難しいと感じていませんか?
この主人相談を克服できるかできないかで、営業成績は大きく変わりますので、ケース別の営業トーク例をお教えします!
目次
クロージングでの主人相談に対する考え方
「あの~、一応主人に相談しないと…」
BtoCの営業マンであれば、クロージングで契約までもう一歩というところで、お客さまから最も多く出てくる言葉ではないでしょうか?
「はい、それもごもっともですよね。では、ご主人に相談してご回答ください」
こんなふうに毎回言っていたら、ほとんどが契約にならないということもご存知だと思います。
では、どうしたらいいのでしょうか!?
具体的な営業トーク例の前に、主人相談について少し考えてみましょう。
何故、「主人に相談しないと…」というのか
まず、主人相談を克服するためには、何故「主人に相談しないと…」と言うかを考える必要があります。
「えっ?主婦であれば旦那さんに相談するのは当たり前でしょ」
こんなふうに単純に決めつけてはいけません。
どういうことか説明しますね。
自分が納得していないから
奥さん自身が納得していない場合や不安がある場合、また、いい人でいたいタイプの場合に「主人相談」を言ってくることがあります。
一番もっともらしく断る方向へもっていけますからね。
この場合は「主人相談」の裏に、「納得していない」などの本当の理由が隠れているわけです。
主婦が何でも主人に相談するわけではない
次に考えて欲しいのが、「主婦は何でもかんでもご主人に相談・報告するか」ということです。
例えば、スーパーでいつもより高い大根を購入するのに旦那さんに電話やメールをするでしょうか?
たまたま出かけた先で可愛い洋服を見つけたときに、内緒で購入することは無いでしょうか?
友達とカフェにスイーツを食べに行く(結構高い金額がかかる)ことの許可を取るでしょうか?
女性というのは、自分の都合によってはご主人に内緒で買い物をするものです。
(男性も然り)
他にもいろいろありますが、きりがないのでこの辺にしておきます。
もし、今までこんなふうに考えたことがなかったのであれば、一度営業マン同士で主人相談について話し合ってみるといいでしょう。
主人相談に対する営業トーク例
お待たせしました。
現場の商談で主人相談が出たときの営業トーク例をお教えしますね!
受け流す方法
奥さん:「主人に相談しないと…」
営業マン:「またまたご冗談を~(笑)お子様の勉強のことですから、みなさん奥さまの判断で決められてますよ!」
商談相手の奥さんが、営業マンである自分と勧めている商品やサービスの両方を気に入っている場合は、このように軽く受け流す方法も有効です。
というのは、ほとんどの営業マンが主人相談に過敏に反応しすぎなんですね。
厳しい局面のときほど、笑顔やユーモアが効くことがあると覚えておいてください。
納得していない場合
奥さん:「主人に相談しないと…」
営業マン:「そうですよね。ご主人に相談するに越したことないですからね…(yesを返す)ところで、ご主人に相談するということは、何か不安な点や判らない点があるのでしょうか?」
相手が納得していない場合は、このように応酬してからトークバックしましょう。
奥さん自身が迷っている場合
奥さん:「主人に相談しないと…」
営業マン:「そうですよね。ご主人に相談するに越したことないですからね…(yesを返す)ただ、ひとつお聞きしたいことがあります。奥さま自身は『この商品が欲しい』と本気でお思いですか?
奥さん:「・・・・・」
営業マン:「というのは、奥さまが『欲しい』と本気で思っていないのであれば、仕事で疲れているご主人様にわざわざお話しするのはかわいそうですからね。」
上記のようなやり取りをして、まずは商談相手の奥さんを決心させることが重要です。
内緒に罪悪感を持っている場合
奥さん:「主人に相談しないと…」
営業マン:「そうですよね。ご主人に相談するに越したことないですからね…(yesを返す)奥さまに質問があるのですが、そもそもご主人が何故反対すると思いますか?」
奥さん:「勝手に契約するのが面白くないからじゃないですか…」
営業マン:「確かにそれもあると思います。(yesを返す)それにしても、奥さまとご主人様は仲がよろしいんでしょうね。信頼関係があることがヒシヒシと伝わってきます。私も妻がいますのでお気持ちはよくわかりますし(共感する)ただ、男の人が反対するのには、少し違う理由があるんですね。」
奥さん:「・・・・・」
営業マン:「というのは、旦那さんもこの場にいて一緒にお話しを聞いてくれれば、問題なく賛成してくれると思うんです。ただ、聞いてないことに関しては「俺の妻にうまいこと言って騙してるんじゃないだろうな」ってなるんですね。ましてや、奥さまのご家庭のように仲がよろしければ尚更です。」
奥さん:「・・・・・」
営業マン:「ただ、逆に奥さまがしっかりと話を聞いて納得の上で申し込んだとわかれば、男の人は『それならいいんじゃない』ってなるものですよ」
上記のトーク例は超正論で真正面から勝負するトークです。(私は性格的にこういうトークが好きなので)
コツとしては、「自分が決めることが悪くないんだよ」と思わせてあげることです。
決心できない場合
奥さん:「主人に相談しないと…」
営業マン:「そうですよね。ご主人に相談するに越したことないですからね…(yesを返す)ただ、ひとつお聞きしたいのですが、お子さまの勉強に関してはどのご家庭でも圧倒的にお母さんがみています。ご主人は朝から晩まで仕事で忙しいですから無理もないですしね。奥さまのご家庭もそうじゃありませんか?」
奥さん:「まぁね~…」
営業マン:「やはり、圧倒的にお子さんに接する時間が長いのはお母さんですからね。保育園や幼稚園、小学校のこと、成績のこと、塾のことなど、お子さんの状況を一番分かっているお母さんが決めてあげるのが一番ですよ。ご主人だって、ゼロからいちいち相談されるより、「子供のことは私が責任を持ちます!」くらいの奥さんの方がありがたいし、頼もしいと思うはずです。」
上記は学習教材のケースですが、ポイントは「奥さん自身が決心するべき理由」を提示してあげることです。
「子供のことはお母さんの責任ですよ!」っていうことが伝われば、主人がどうのこうのと言わなくなります。
他の商材やサービスでも使えますので、アレンジしてください。
主人相談が回避不可能な場合
奥さん:「主人に相談しないと…」
営業マン:(いろいろと応酬)
奥さん:「それでも、うちは絶対に相談しないとダメなんです」
営業マン:「では、奥さまにお願いが2つあります。ひとつはご主人に私から説明する機会をつくってください。そして、もうひとつは「いいと思っている」と私の応援をして頂けますか?
主人相談に対して、ユーモアで返しても、正論をぶつけても回避出来ないことがあります。
そういうどうしようもない場合のみ、「再訪設定」をしてください。
ポイントは「絶対に機会をくれるという確約を取ること」そして「再訪した際に『私はいいと思っている』と言ってくれる約束をすること」です。
ガチガチに固めたつもりでもコケるのが再訪設定ですので、せめて上記の2点の確約は取らないと後日「やっぱり来て頂かなくてもいいです」ってキャンセルが来ることになります。
本日のまとめ
さて、当ブログで過去に何回か言ったことがあるのですが「出来ればスンナリ契約」が一番です。
では、主人相談を出なくすることは出来るのでしょうか?
答えは「出来ます」です。
もちろん、100%ではありませんが、もし出たとしてもクリアーしやすくなります。
そのためには、出来るだけデモの前半で「布石」を打っておくようにしてください。
学習教材の商談の場合を例に簡単に説明します。
まず、BtoCの営業の場合、お客さまの猜疑心や警戒心が強いので「アプローチ」をしっかりしますよね。
少しでも警戒心を解いてから商談に入るのはセオリーだと思います。
しかし、ただ楽しいばかりの世間話をして打ち解けるだけなら50点。
私なら、あとあと主人相談が出ずらくなる(または、出てもクリアーしやすくなる)ように布石を打ちます。
ちょっと、以下のやり取りをみてください。
営業マン:「どこのご家庭もお母さんが子供の勉強のことは見てるっておっしゃいますけど、奥さまのところもそうですか~?」
奥さん:「そうなのよ~。旦那は忙しくってそれどころじゃないしね~」
営業マン:「じゃあ、旦那さんと、お子さんの勉強のこととかって、余りお話ししないんですか~?」
奥さん:「そうなの。結局全部私が決めてるんですよ」
はい、もうわかりましたよね。
上記のやり取りは一例ですので、もっていき方は色々ありますが、こんな感じで布石を売って言質(yes)を取っておけば、あとあと「主人に相談しないと…」と言えなくなるんですね。
また、もし言われたとしても営業マンとしてはクリアーしやすくなっています。
主人相談をクリアーするためには、クロージングだけでなくアプローチも工夫するようにしてください。