この訪問販売物語は、営業マンのみなさんの参考になればと、私の過去20年間の営業人生を出来るだけリアルに振り返った物語です。
私の営業人生の中で、もっとも簡単に売りまくったのが訪販で山梨県を担当していたときでした。
担当地域「山梨県」で起きた奇跡
よくよく考えれば、もともと訪販の世界で社会人としてスタートを切った私が、母親の病気をきっかけに一時住んでいたのが山梨県。
そして、また東京に戻ってきて山梨県を担当することになるのですから、山梨と私は切っても切れない縁があるのかもしれません。
前回「わざわざ東京から来たんですけど…」という信じられないトークでガンガンドアを開けた話をしましたが、実はそれだけではありませんでした。
毎日、毎日本当に売れまくって、私の長い営業経験の中でも、もっとも簡単に売ることが出来た時期だったのです。
どのくらい売れるかといえば、15世帯くらいの小型マンションを2〜3棟見つければ、その中で一日のノルマが必ず達成できるという売れっぷり。
凄いマンションになると新築でもないのにパーフェクト(パーフェクトとは、15世帯あったら1世帯も売りのがさず、前15世帯に完璧に売ること)を達成したりしました。(新規の飛び込み営業でですよ)
最初は「高速代やガソリン代をペイできるだろうか…」という不安がありましたが、そんな不安は2・3日後にはスッカリ消えていました。
それどころか、朝は早いものの、あっという間に売れてノルマを達成してしまうので、早めに帰社し翌日の準備(販売商品の積み込みetc)を済ませ、みんなが帰って来る前に退社。
翌日は山梨へ直行という同行する営業マン以外とは全く会わない日々を送るようになりました。
他人なんて勝手なもので、最初は山梨にすすんで行きたいという人なんて一人もいなかったのに、「すげー簡単に売れる」という評判を聞いてから「俺も俺も!」と競って私に同行したがる人数が増えてきました。
そんな中、今まではほとんど交流のなかったN主任が私と毎日のように同行して山梨に来るようになりました。
「何で他のエリアを担当している役職者が毎日毎日私と遠方の山梨県まで日帰り出張に来るんだろう…」
最初は理由が全くわかりませんでいたが、数日もするとその狙いがわかるようになりました。
それは…
堂々とサボる為だったんです。
このN主任、私が今まで出会った中で最強のサボり営業マンでした。
近場でサボっていると誰かにばれるリスクがあるので、わざわざ山梨県までついてきて、夕方までゲーセンでゲーム三昧という信じられない仕事っぷりなわけです。
そして、このN主任と私に壮絶な戦いを繰り広げることになるのです。
次回からは、その戦いについてお話ししようと思います。