数と率

スーパーアスリートのイチロー選手は、何故、注目される打率ではなく安打数を目標にしているのでしょうか?

そこには営業マンの目標設定にも役立つ深い理由があります。

今日はそんな「イチロー型目標設定」と、営業マンがそこまら学べることについてです!

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もともと安打数は注目されていなかった

野球場

 

野球には三冠王という言葉があります。
三冠とは、「ホームラン数」「打率」「打点」の3つのこと。

この打者を評価する3つの指標は常に注目されていて、「ホームラン王争い」「首位打者争い(打率が一番いいバッター争い)」「打点王争い」という言葉があるくらい!

シーズン終盤になると誰がタイトルを取るか毎日のようにスポーツニュースで話題になります。

しかし、「安打数王」という言葉は聞いたことがありません。

確かに張本さんの4000本安打という言葉は昔からありましたが、あのスーパーアスリートのイチロー選手が年間200本安打を掲げなければここまで安打数が注目されることはなかったのではないでしょうか?(その証拠に、イチロー以外の安打数が話題になることがほとんどない)

イチロー選手が安打数を目標にした理由

では、何故あれほどの実力者であるイチロー選手は「首位打者」でなく「安打数」を目標に掲げているのでしょうか?

その理由ともいえるイチローの発言がありますので、ちょっとご紹介しますね。

「終盤戦に首位打者を狙う駆け引きで、打率を下げないためにわざとベンチに下がる選手になりたくない」

出典:日本経済新聞 印刷画面

例えば三割一厘の打率で「この一厘を守りたい」って思い始めると、打席に行きたくなくなるんですよね。怖くなるんですよ。当然、失敗する確率の方が高いわけですからね。そういうふうには考えたくないから、僕はヒットを一本増やしたいってポジティブに考えるんです。そう思っていれば打席に立つのが楽しみになるんですよね。その辺の思考の違いっていうのは随分、グラウンドに立つ上の気持ちとしては違ってくると思いますよ。

出典:Bubble Dream Continued.... : June 2008

流石、超一流選手は言うことが違うというか、イチロー選手らしいというか…

しかし、あのイチロー選手でさえ、常に上下し、下がる可能性の方が高い打率を目標に掲げるとプレッシャーを感じるものなのですね。

イチロー選手は、そういう人間誰もが共通している心理を逆手にとって、安打数を目標にしてポジティブに考えたり、打席に立つのを楽しんでいたなんて、目から鱗ですね。

プロスペクト理論の損失回避という人間の性質

同じ額でも自分の「利益」と「損失」では「損失」の方がより強く印象に残り、それを回避しようとする行動をとる事を示しています。これを行動経済学では損失回避性と言います。

出典:プロスペクト理論:行動経済学&社会心理学の研究

これは、行動経済学のプロスペクト理論の損失回避について書かれた説明です。

先ほどのイチローの話に戻すと、打率が上がったときより、下がったときの方が強く印象に残る、我々営業マンに当てはめると、契約が取れたときの喜びより、取れなかったときの落ち込みの方が大きい…

人間は、いいことから感じる喜びに比べて、悪いことから感じる痛みや悲しみの方が強く感じるように出来ています。

一説によると2倍以上の違いがあるらしい…

これは、私も過去の営業人生を振り返ってみると「なるほどね」って思います。

例えば、契約が取れたときの喜びって「やったー」みたいな単純にうれしい感情だけではないですよね。

ずっと契約が取れずに、毎日毎日上司に怒られ続けていたり、毎晩遅くまでロープレなどをさせられていた営業マンは「ホッとした」というのが本音ではないでしょうか?

新人営業マンが契約率より契約数を目標に掲げた方がいい理由

 

では、新人営業マンや売れない営業マンが契約率より契約数を目標に掲げた方がいい理由についてお話しします。

契約数は増えることはあっても減ることはない

契約率を目標に掲げると、商談するごとに契約率が上下します。

よほど契約率が高いトップセールスマンでもない限り、契約率が上がることよりも下がることの方が多くなってしまうんですよね。

あのイチロー選手でさえ、下がる可能性のある打率を考えると守りに入ってしまうわけですから、我々凡人営業マン、ましてや新人営業マンや売れない営業マン達のモチベーションに多大な悪影響をもたらすのは想像がつきます。

ですから、増えることはあっても減ることがない契約数を目標にすべきです。(営業の場合キャンセルで減るということはありますが、それでも契約率のように毎回おこるわけではありませんので)

契約数を目標にした方が多くの経験を積むことが出来る

目標1000万の達成の仕方にもいろいろありますよね。

ケース1 商談数:30商談  契約数:10契約  平均単価:100万円
ケース2 商談数: 5商談  契約数: 5契約  平均単価:200万円

両方とも目標1000万を達成していますが、契約数と契約率のどちらを目標にするかで意味が大きく違ってきます。

契約率に重きを置いた場合、ケース1の契約率は33.%、ケース2の契約率は100%でケース2の圧勝になります。

しかし、「契約数目標:10契約」という目標が掲げたとすると、ケース1は達成率100%なのに対して、ケース2は50%とケース1の圧勝になりますよね。

ここで重要なのは、営業経験の少ない新人営業マンの目標設定を契約率にするのは良くないということです!

どんな世界でもそうですが、経験にまさるものはありません。

特に効率や合理性を追求するタイプは経験を積むということを軽視しがち(汗かいてドブ板営業なんてかっこ悪い、やってられないetc)な傾向があるので、まずはひとつでも多く経験を積むことを優先させてください。

契約率を逃げに使う営業マンがいる

人間というのは、どこかで自分を正当化したいと思っているものです。

従って、「あいつは俺よりも数字上げてるけど契約率が低いからね。マーケットを荒らす非効率営業はしたくないね」みたいに考える営業マンってどこにでもいる。

しかし、仮に契約率に拘ってマーケットを荒らさないように営業していたとしても、会社内だけならいいかもしれませんが、ライバル会社はガンガン数で勝負するスタンスでマーケットを攻めるかもしれません。

今のご時世は、スピード勝負でビジネスの寿命が短くなっていますから、グズグズしていたらあっという間に乗り遅れてしまうという大きなリスクがあるって考えたことはありますか?

契約数を目標にすると、アポ数、デモ数が増える

「何本外せば気が済むんだ!?バカヤロー」こんな風に契約率に関して叱られると、「アポをとらないほうがいい」「デモは打たないほうがいい」という歪んだ営業マンになる可能性があります。

つまり、絶対に契約になると確信が持てないアポやデモ以外は自分から捨ててしまうのです。

トップセールスマンには理解しがたい心理ですが、あなたがマネージャーだったら気を付けなければなりません。

今の新人営業マンと昔の新人営業マンは全く違います。

数字を上げることよりも、上司に怒られないことを優先する営業マンを育てたくないのであれば、最初のうちはのびのび好きなように営業させるようにしてください。

契約数を目標にして、とにかく本数を持ってくることを評価基準にすればアポやデモを打つ数が自然と増えます。

本日のまとめ

「でも、契約率だって大事じゃないですか?」という人に対する私の答えは「はい」です。

全くその意見を否定するつもりはありません。

しかし、最近の風潮というかご時世なのか「合理化」や「効率化」ばかりが優先されているもの事実です。

最後にもう一度野球の話にもどりますが、首位打者には規定打席というのがあり、ある一定数の打席に立ったうえでなければ首位打者の資格はないというルールになっています。

それはそうですよね。

1打席目にヒットを打って、残り全部の試合を休んだ打率10割で首位打者ではおかしなことになってしまいますので。

このように野球など営業以外のことで客観的に考えれば「それはそうだな」って納得できるのではないでしょうか?

今一度「契約数」について考え直してみてください。

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