
この記事では「法人営業がきつい理由」だけでなく「法人営業に向いている人の特徴」や「法人営業がきついときの対処法」まで解説します。
社会人経験のない就活中の大学生や未経験で営業職への転職を考えている社会人の方でも理解できるように「そもそも法人営業ってどんな仕事?」「個人営業との違いは何?」という内容も盛り込みました。
目次を見て「自分の参考になる部分」を参考にしてみてください!
法人営業とは?
法人営業(BtoB)の仕事内容は、お店や企業などの組織に商品やサービスを売る仕事です。
取り扱う商品には「不動産」「精密機器の部品」「半導体」「OA機器」などの有形商材と、「人材派遣」「コンサルティング」「金融商品」「ITシステム」などの無形商材の2つがあります。
DMやメール、電話をかけてアポイントを取り、先方のお店や会社などに訪問して商談する新規開拓営業と、既存顧客のところを回り数字を上げるルートセールスがあるのですが、一般的に「きつい」と言われているのは新規開拓営業の方です。
個人営業(BtoC)との違い
個人営業との違いを箇条書きでまとめておきますので参考にしてみてください!
- 個人営業は決裁者と商談できるが、法人営業は決裁者に直接提案できないことが多い
- 個人営業は即決も多く契約までの期間が短いが、法人営業は「稟議を通さなければならない」「取締役会での承認が必要」などの理由で契約までの期間が長くなることがある
- 個人営業では衝動買いをさせることが可能だが、法人は費用対効果がなければ導入してくれない
- 個人営業は夜や土日・祝日に商談することがあるが、法人営業では夜遅い商談や休みの日の商談は少ない。
- 個人営業では「奥さん」や「ご主人」が商談相手なのに対し、法人営業は「社長」や「役員」との商談もあるので、社外の人脈を構築することができる
- 個人より法人の方が多くのお金を動かせせるので、後者の方が大きな数字を作りやすい
上記を見て分かる通り、個人営業と比べてメリットもあればデメリットもあるんですね。
ちなみに、私は個人営業と法人営業の両方を経験したことがあるのですが、「どちらがいいですか?」と質問されたら「絶対に法人営業!」と答えます。
理由は、法人営業は相手にも「定休日」や「お休み」があるので、週末や年末年始・GW・お盆休みなどをしっかり取れて「オン・オフのメリハリをつけられる」から。
個人営業のきつさは法人営業の比ではありません。
法人営業がきつい6個の理由とは
さて、ここからは本題の法人営業がきつい理由について解説します。
この記事を書いている私が経験したことや感じたこと、長年の営業マン人生で見てきた営業の現場のリアルをもとに書きますので参考にしてみてください!
ノルマが厳しい(数字に追われる)
営業マンの仕事は「数字を作ること」なので、残念ながらノルマとは切っても切れない関係です。
また、目標の進捗率がランキング形式で発表されたり、オフィスにいる人全員が見えるところに売上の棒グラフが貼られている会社も珍しくありません。
営業マン自身も「数字が無ければ存在意義が無い」ということを自覚していますので、ノルマが達成できないときは精神的に追い込まれるのはもちろん、オフィスにいるだけで針の筵という状況になります。
体力的な負担も大きい
オフィスや自宅でのオンライン商談であれば体力的な負担は少ないですが、コロナ前の世の中に戻れば戻るほど対面での商談が復活しますので、海外出張や全国を飛び回るなど 多忙な日々が戻ってきます。
真夏の酷暑や真冬の極寒の中でも飛び回る営業マンの仕事は、まさに体力が無ければ務まらないと言っても過言ではありません。
休日対応をしなければならないことがある
営業マンはお客さまの問い合わせや要望には「鬼レスポンス」で答えるのが基本です。
平日であれば何の問題ありませんが、休日に電話がかかってきたりすると「頭の片隅に仕事のことがある状態」になってしまうので精神的にリフレッシュすることができません。
もちろん、休日であることなど関係なく連絡をしてきそうな相手に対しては「週末は対応できません!」とハッキリ言っておけばいいのですが、それでも電話がくるのを100%は防げないというのが本当のところです。
接待をしなければならないことがある
時代が変わりましたので、昭和の頃のようないかがわしい接待は減ったと思いますが、「取引先の方と休日のゴルフ」などは未だにあります。
振休扱いにはならないものの「プレー代や昼食代」を経費で負担してくれる会社もあるので、安くゴルフができるというメリットはありますが、気を使わなければならないので「心から楽しむ」という感じにはなれないでしょう。
一方で、プライベートで全くゴルフをしない人にとっては「仕事」以外の何ものでもありません。
残業が多い
「残業を1度もしたことが無い」という営業マンはほとんど存在しません。
「就業時間後なら話を聞く時間あるけど…」と言われたら「ありがとうございます!お伺いします!!」と対応するのが営業の世界ですからね。
また、業務時間中は数字に直結する業務(テレアポや商談)だけに集中し、日報などの雑務や明日以降の商談の際に使う提案書作成などは業務時間終了後から始めるという営業会社も多いです。
「休日対応」や「接待」とも関連することですが、とにかく仕事をする時間が長いので「家族とのかけがえのない時間を切り崩して仕事をしている」という営業マンが多いのも事実です。
人間関係に悩まされる
人間関係の悩みは、どんな仕事にもついて回るのですが、営業職ほど人間関係に悩まされる仕事もないでしょう。
取引先の無茶ぶりやクレーム対応はもちろん、納期などの問題で社内の製造部門との衝突もあります。
また、同じ営業部にパワハラ上司がいることも珍しくありませんし、先輩も同期も営業成績を争うライバルなのでギスギスすることもあります。
法人営業が向いている人の特徴
「やっぱり法人営業ってきついんだな…」と思ったかもしれませんが、人によっては「法人営業最高じゃん!」と思う人もいます。
そこで、どんな人が法人営業に向いているか、またその理由について解説しますね!
人間が好きな人
「人間が好き!」という人は法人営業に向いています!
営業ほど多くの人と会う機会がある仕事はありませんし、仕事の話が中心とはいえ「毎日のように他人と会話」できます。
更に法人営業マンでなかったら会えないような方(企業の社長など)と対面できるので、人間が好きな人にとっては大きなメリットですよね。
商談前に「今日、お会いするのはどんな方だろう?」と考えるだけでもワクワクしますし、相手の表情やしぐさ、話し方などから「考えていることを予測する」「相手のニーズを引き出す」などは、たまらなく楽しいでしょう!
ロジカル(論理的・合理的)に話せる・話すのが好きな人
個人営業であれば「衝動買い」をさせることが可能ですが、法人営業の場合「費用対効果」がハッキリしていなければ導入してくれることはありません。
ですから、商品やサービスを導入したときのメリットを極めて分かりやすく伝えることができる人が法人営業に向いています!
極端な言い方になりますが、個人営業の場合は「商品だけでなく営業マン自身も気に入られるのが必須」ですが、法人営業の場合は「商品やサービスを導入するメリットだけで十分」だからです。(もちろん、嫌われたら話になりません)
社外にも人脈を作りたい人
社内だけでなく社外にも人脈を構築したい人も法人営業に向いています!
法人営業の場合、個人商店のオーナーや会社の社長とお会いする機会があるので、仕事を通して人脈を作ることが可能です。
私はコンサル営業マンだったときに、「うちに来ない?」とか「面白いビジネスがあるんだけど!」のようにお声をかけて頂いたことがありますし、社長がお知り合いの社長を紹介してることで全国の多くの社長との人脈を作ることができましたよ。
大きな仕事がしたい人
規模や数字の大きい仕事がしたい人は法人営業に向いています!
私は個人営業も法人営業も経験したことがあるので分かるのですが、法人が使える予算は個人が使える金額とは比べ物にならないほど大きいです。
もちろん、規模や金額で仕事の優劣がきまるわけではありませんが、私は個人営業から法人営業に転身したときに「法人営業ってスケールが大きい仕事だな~」って率直に感じました。
実力を正当に評価してほしい人
自分の仕事ぶりを正当に評価してほしい人は法人営業に向いています!
営業の仕事は「数字」というハッキリとした指標がありますからね。
「自分より全然仕事をしていない人が出世した!」「何であいつの方が給与が高いんだ?」というような不公平を感じるようなケースは他の仕事に比べると少ないでしょう。
プライベートも充実させたい人
公私ともに充実した生活を送りたい人は法人営業に向いています!
法人営業がきつい理由のところで、「休日対応」や「接待」「残業」について触れましたが、自分の仕事のやり方次第でプライベートを充実させることもできるからです。
実は、私は訪販の営業マン時代、年末年始休暇とお盆休みが3日ずつ、あとはたまに日曜日に休めるだけという状況で働かされていたことがあるのですが、その数年間のプライベートに関しては完全な空白期間…
「あなたと付き合っていても意味がない」という理由で、当時同棲していた彼女から別れを切り出されましたからね。
そんな経験をしたので、法人営業に転身してからは天国かと思いましたよ(笑)
テレアポをしようにも土日は休みの会社が多いですから電話しても意味がありません。もちろん、土日にやっているお店などもありますが、週末は忙しいので怒られちゃいますからね。
個人営業の場合は在宅率の良い夕方以降が勝負ですし、ご主人に同席してもらおうと思ったら夜や土日・祝祭日に商談になってしまいますが、法人の場合、昼間から商談できるので敢えて夜にアポを入れる必要もありません。
土日にしっかり休みながら、個人営業のときの数倍の年収を稼げるようになったので「何でもっと早く法人営業をやらなかったんだろう…」って後悔したくらいです。
法人営業がきついときの対処法
最後は「法人営業きついな…」と思ったときにどうすればいいかについてお教えします。
営業は精神的にも体力的にも楽ではない仕事ですので、「きつい」と思ったらできるだけ早く何かしらの対処をしてください!
「鬱」になったり「体を壊す」ようなことになった、取り返しがつきませんので。
結果を出す
法人営業がきついときの対処法の1つ目は「結果を出す」です。
「きついときに頑張らなければならないなんて矛盾してるじゃん…」と思うかもしれませんが、営業マンに一番効く薬は間違いなく結果です。
営業成績が良ければ、社内でも一目置かれる存在になりますし、自分の会社や取引先に貢献していることが実感できれば、仕事のきつさを上回るやりがいを感じることでモチベーションが上がり負の感情は払しょくされます。
ですから、「やるからには何が何でも結果を出すことを習慣化」してください!
ほとんどの営業マンは「自分の全力を出し切っていない」ので、もっと頑張れるはずです。
徹底的に仕事を効率化して楽をする
法人営業がきついときの対処法の2つ目は「仕事を効率化して楽をする」です。
誤解しないで欲しいのは「サボってもOK」ということではありません。
例えば、取引先とのメールのやり取りは「できる限り定型文を使う」、商談ごとに提案書を作成するのではなく「業種別にテンプレを用意しておく」など、効率化しようと思えばいくらでもできることはあるはずです。
「でも、定型文やテンプレを使いまわすなんて失礼じゃないですか?」と思った方もいるかもしれませんが、ビジネスにおけるメールは「お世話になっております」から始まる冒頭のあいさつ文や、「ご査収くださいますようよろしくお願い申し上げます」のような締めくくりなど、どちらにしろ同じ文章を何度も使いますよね。
だったら、定型文を作って「誤字脱字が無くす」「レスポンスを早める」などをした方が相手にとってもメリットは大きいでしょう。
提案書に関しても「毎回1から作り直すのは無駄」でしかありません。
扱っている商品やサービスのメリットは限られていますし、業種・業態によって提案の仕方も似たような確度になっているはず!
ですから、提案先の状況に合わせて必要な部分だけ変更すれば十分です。
隙間時間を有効活用する
法人営業がきついときの対処法の3つ目は「隙間時間を有効活用する」です。
「全然時間が足りないのがきつい…」と思っている営業マンは、移動時間や商談前の待機時間などを有効活用することをおすすめします。
終業時間が始まってから30分とか1時間メール対応をするのであれば、通勤時間や商談先への移動時間、商談が始まるまでの現地での待機時間中にやれば時間を有効活用することができますよね。
出張中の営業マンが新幹線の中で寝ていたり、ビールを飲んでいる姿を見るたびに、「忙しいと言ってる割に、随分余裕あるんだな~」って思います。
仕事とプライベートのメリハリをつける
法人営業がきついときの対処法の4つ目は「仕事とプライベートのメリハリをつける」です。
「頭の中が常に仕事のことでいっぱいな状態」では、営業がきついと思うのは当然のこと。
ですから、仕事の日は全力で仕事に取組み、その代わり休みの日は仕事のことは一切忘れるようにしましょう。
仕事中に休みの日のことを考えたり、休みの日に仕事のことが気になってしょうがないような状態は「どっちつかず」でいい結果を生みません。
結果の出る営業スキルを身につける
法人営業がきついときの対処法の5つ目は「結果の出る営業スキルをみにつける」です。
営業がきついときの対処法をいろいろあげましたが、実はこれが一番大切。
いくら頑張っても、いろいろと効率化を図っても、隙間時間を有効活用したり公私のメリハリをつけたところで、売れなければ全く意味がありません。
ここで注意点がありますが、書店に売っている営業のハウツー本や営業セミナーを受講したところで「売れるスキル」が身につくことは稀だという点です。
その理由は、営業本の著者は「本が売れること」を一番に考えますし、営業セミナーの講師は「セミナーの集客のこと」を一番に考えていて、本を読んだりセミナーを受講した人が売れる営業マンになれるかどうかは二の次。たいして営業経験が無い人が本を書いたりセミナーをしていることも多いからです。
もし、世の中に出回っている営業本や営業セミナーに効果があるのであれば、ほとんどの営業マンが売れないという状況になっていないはずですよね。
ですから、本当に役に立つかどうかを見極めるようにしてください!
法人営業のスキルをnoteにまとめてありますので参考にどうぞ
「結果に繋がる営業スキルを付けたい」という方は、私が書き下ろしたnoteも参考にしてみてください。
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