
チームプレイ大好き日本人ですので、「営業部の数字をみんなで達成するぞ!」「オーーー!!」みたいなノリの組織って多いですよね。
ただ、そういう組織に所属している営業マン全員が売れているという状態を見たことがありませんし、私はそういうノリの組織には疑問を感じます。
誤解しないで欲しいのは「チームの和を乱してOK」とか「個人の数字だけ達成すればあとは知らない」とか、そういうことを肯定するわけではありません。
個人もチームも大事ですが、どちらかと言えば「まずは個人!」ってことです。
私が経験した2つの組織を例に出しますので、チームと個人について考えてみてください!
強い個人が集まった常に全国トップクラスの組織
私が過去に所属した組織の中で、最も強かったのは常に全国トップか悪くてもベスト3までという営業所でした。
全都道府県に営業所がある営業会社で、首都圏などの人口が多いところでは都内・県内に2ヶ所の営業所があるので、50以上の営業所の中で常勝だったのですから半端ではありません。
新人を除いた営業マン全員が年間1億円以上売るので、信販会社の人が「うちにオーダーを流してください」と粗品を持ってお願いにきたり、ブラックの顧客でも審査を通してくれたりしたんですよ(もう20年くらい前の話なので、今はそんなことは無いかもしれません)
そんな最強組織がどんな組織だったかと言えば、「強い個(営業マン)が集まった組織」だったんです。
その当時(昭和)の営業会社では、「大声で詰められる」「人間否定をされる」などのパワハラが横行していましたが、そんなことは全くありませんでした。
それぞれの営業マンが、自分の掲げた目標を責任を持って達成する。
ですから、結果を出せない営業マンは、居心地が悪いので自ら去っていくという環境でした。(新人営業マンを放置していたわけではありません。寧ろチャンスは多かったです。)
「人間関係はどうなの?」「殺伐としていたのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、それが極めて良好だったんですよ。
自分以外の営業マンの足を引っ張る人や、自分だけ所長に気に入られようとするようなゴマすり人間もいません。
数字が良いので早く帰れる日も多く、そういうときは所長が食事に連れて行ってくれたり、社員同士で飲みに行ったり麻雀をしに行ったりしていました。
私はいろいろな営業会社で働いた経験がありますし、コンサルでいろいろな営業組織にお邪魔したことがありますが、あの常勝営業所を超えるような組織に出会ったことはありません。
今でも理想の組織だと思っています。
「チームのため!」を掲げるも全国最下位レベルの最弱営業所
私が過去に所属した組織で最も弱かったのが、とにかく「チームのため!」を掲げる営業所でした。
この会社も全国に営業所がありましたが、私が面接を受けに行った営業所は全国最下位の最弱営業所だったんです。
営業マネージャーが「会社のため」「チームのため」と繰り返し言うので、フルコミで収入ゼロの営業マン達が「チームのために頑張ります!」とか言ってるんですよ。
自分の数字が出ていないのを「チームに貢献することで誤魔化そう…」みたいな営業マンとしてあるまじき姿に吐き気がしましたし、「自分の数字を上げなきゃ借金生活なのに何言ってんだ!?」と呆れましたね。
ちなみに、その会社は営業マネージャーもフルコミで、営業所の売上が少ないと収入ゼロ。
ですから「チームのため!」と言っているマネージャーの本心は「自分のため」
あとあと聞いて分かったのですが、私が入社した頃は600万円くらいの借金を抱えていたそうです。
そんな組織ですから、「完全に洗脳されたお人好し営業マン」か「マネージャーの真意が分かっていながら忖度してヘラヘラしている営業マン」しか残っていませんでした。
そうそう、その会社は教材販売会社だったのですが、「生徒のため!」とか綺麗ごとばかり言うので、「営業マンの仕事は売ることだ!売らなきゃ生徒のためもクソもないだろ!!」と言ったら全員ドン引きしていました(笑)
その後、私の言うことに賛同してくれた古参営業マンと、私の後から入社してきた後輩営業マン達で半年で全国トップの営業所にすることができましたが、結局売れる営業マンは極々一握りでした。
組織の文化を完全に変えるのは本当に難しいものです。
まとめ
個人プレーと、個人を重んじるのは全く違います。
個人プレーは組織を崩壊させる可能性がありますが、自分の数字に責任を持っている個人が集まった組織は最強です。
最近、間違った「チームのため!」を見ることが増えてきたので記事を書きました。
是非、「営業マンは個人とチームのどちらを重んじるべきか!?」について考えたり、営業マン同士でディスカッションする機会を作ってみてください!