「競合他社と比べて価格が高い」とか「競合他社にある機能がない」など、どんな商品やサービスにもウィークポイントはあり、出来れば触れられたくない(触れたくない)と思っていませんか?
また、訪問販売では「主人に相談しないと…」という主人相談が出ると決まらないので、「ご主人の話が出ませんように…」なんてビクビクしながら商談している営業マンの方もいると思います。
しかし、契約の障害になるようなネガティブなことに関しては、商談相手から言われる前に営業マンが言ってしまった方が商談がまとまる確率が上がるんですね!
そこで、この記事ではBtoBとBtoCの事例をそれぞれ挙げて、その効果について解説させて頂きます。
BtoB(法人営業)の事例
以前、私が売っていた家賃削減のコンサルサービスの商談を事例としてお話します。
このサービスを売るにあたって最も障害となるネガは「家主とのトラブル」でした。
「家賃削減してください!」と家主に打診したことがきっかけでテナントから退去させられたら、商売ができなくなってしまいますからね。
実際には法律で店子は手厚く守られているので、賃料を滞納し続けているなどの問題がなければ家賃交渉で追い出されるリスクはないのですが、借地借家法まで熟知している経営者は少ないですし、「万が一」のリスクを考えるのが経営者ですから心配するのは当然です。
このような避けて通れないことに関しては、商談の早い段階で営業マンの方から言ってしまった方が良いんですよ。
ですから、私は「家主さんとのトラブルを心配される方が多いので、『家主さんとのトラブルなく、適正価格ギリギリまでどうやって家賃を下げるか?』について、実際の業務の流れに沿ってご説明させて頂きます!」と、商談の冒頭で敢えて「家主さんとのトラブル」というネガティブワードを使うようにしていました。
そうすると、商談相手は「家主さんとのトラブルなく家賃を下げるための説明」として話を聞いてくれるので、あとあとクロージングのときに強烈なネガとして出てこなくなるというわけです。
商談相手から「これって家主と揉めるよね?」と先に言われてしまったときに切り替えすと、お客さまに反論することになってしまいますし、商談の後半になればなるほど「契約欲しさで必死になっている」と思われてしまいます。
ですから、先に言ってしまうべきなんです!
BtoC(個人営業)の事例
次は訪問販売などの個人営業の事例として「主人相談」を例に挙げてみます。
「主人に相談しないと…」と商談相手の奥さんから言われるのを苦手としている営業マンって多いですよね。
配偶者に内緒で高額商品を購入するのは気が引けるから「一言相談したい」というのは当然ですので、苦手意識を持つ営業マンの気持ちも分かります。
私は若いころ勝気だったので、主人相談が出ると「ご主人が反対したら、お子さんの勉強を諦めるんですか!!!!!」みたいに商談相手の奥さんとバチバチに戦っていましたが、ハッキリ言って消耗するんですよ(笑
ですから、私は商談前のアプローチの会話の中で「ご主人はお子さんのお勉強に関して協力的ですか?」などご主人について必ず触れることにしました。
もし、この質問に対して、「うちの主人は帰りが遅いし、休日は仕事関係のゴルフに行っちゃうので、勉強のことは私が見るしかないんですよ~」とか「全然です。全て私に任せっきりなんです」なんて答えが返ってきたら勝負あり。
ほとんどの人は「自分が一度言ったことを覆せない一貫性」を持っていますので、あとあと主人相談が出たとしても契約に持っていく難易度はそんなに高くありません。
あと、クロージングの段階で主人相談に対して必死に応酬すると、それがどんなに正論でも商談相手は「契約欲しさに必死になっている」と思うので厳しい戦いになります。(これに関しては法人営業も個人営業も同じ)
だから、先に言ってしまいましょう!
まとめ
契約の障害になるようなネガは営業マンが先に言うべきだと納得して頂けましたでしょうか。
ただ、この記事を読んで「なるほどな~」と思っても、現場で実際に試す営業マンは10%もいないんですよね。
「契約欲しさ」でビビりながら商談する営業マンだらけだからです。
ただ、考えてみてください。
そんな営業マンだらけだからこそ、あなたが実践すれば結果が出やすいんですよ。
みんなと同じことを続けていれば、良くて「並みの営業マン」止まり。
みんなと違うことをするからこそ、「トップ営業マン」への道が開けます。
あなたがトップ営業マンになりたければ、常に少数派でいることを心がけるべきです。