私が経営コンサル営業マン時代に実際に経験した実話を出来る限りリアルにお届けてしている法人営業物語。
94回目の今回は「Kさんを襲った初めての悲劇」をお送りしようとおもったのですが、時系列的に話しておきたいエピソードがあるので、予定を変更して「イタリア旅行編」をお送りします。
あと、当ブログの読者の方には法人営業物語が好きな方が多いのですが、登場人物がイニシャルなので「いまいち分かりづらいな~」と思ってる方もいると思うんですよ。
そこで、今回は社員旅行でイタリアに行ったときの写真をお見せしたいと思います。
当然顔は隠していますが、「Oさんってこんな感じなのか」と少しでもイメージが分かれば、法人営業物語が読みやすくなると思いますので!
あと、わざわざ予定を変更してお送りするくらいですから、面白いエピソードもあるので楽しみながら読んでみてください。
目次
コンテストで目標達成してイタリア旅行(海外旅行)が決定!
会社の業績が軌道にのると、社員の士気を上げるために年2回の海外旅行企画をするようになりました。
年1回のハワイは決まり、そして、もう1回は社員が行きたいところに行くという感じです。
但し、無条件で行けるというわけではありません。
社員個人にノルマが課せられ、クリアーしたものだけが参加できるというルールでした。
営業部の個人に課せられた目標は1ヶ月で1500万円。(これは旅行のノルマであり、通常の目標ではありません)
Oさんと私にとって1500万円は楽勝の数字ですが、「営業部の他のメンバーやコンサルティング事業部のメンバーは全員クリアー出来るのかな?一人だけクリアーできずに留守番とかになったら悲惨だな…」という心配もありました。
ところが、イタリア旅行のパワーは凄まじく、普段目標達成できないメンバーが次々と目標達成!
社員全員でイタリア旅行に行けることになったんです。
そして、この社員旅行には社長とAさんと私にとって特別な思い入れがありました。
実は、もともと私たち3人は同じ営業会社で働いていたことがあり、そのときに同じチームで全国2位になって会社のイタリア旅行に参加したことがあったんです。
ローマのトレビの泉に背を向け「もう一度ローマに戻って来れますように」とコインを投げ込んだ願いが実現しようとしているわけです。(トレビの泉には、背中を向けてコインを1枚投げると「もう一度ローマへ来られる」、2枚投げると「愛する二人が結ばれる」、そして3枚目は「別れたい(離婚したい)という願いが叶うと言われています)
ですから、社長以下社員全員が「みんなでイタリア旅行に行ける」と大盛り上がりだったのです。
一人を除いては…
新人kはイタリア旅行にも興味を示さなかった
そして、私にはひとつ気がかりなことがありました。
それは、内勤の女性社員や新人が今回のイタリア旅行に参加できるかどうかということです。
結論から言えば、社長の計らいで組織のクリアーすべき数字が設定され、それをクリアーできたので内勤の人や新人も含め全員旅費は会社持ちでイタリアに行けることになりました。
普通だったら、一生に何度も行く機会がないイタリアに行けること、そしてその旅費は全て会社持ちということで大喜びすると思うのですが、やはりというか新人のKさんは違いました。
「え!?また旅行っすか? この間社員旅行に行ったばっかりじゃないですか?」と露骨に反発したんです。
そして、社長に旅行不参加を直訴。
しかし、秒で却下されました。
そして、新人Kさんは嫌々1週間のイタリア旅行に参加することになったのです。
イタリアが新人Kを変えてくれるのではと期待
成田空港に集まった社員全員がワクワクが止まらないような表情をしている一方、新人Kさんは明らかに不満そうな顔をしていました。
ただ、私は「もしかしたら、イタリアが新人Kさんを変えてくれるかも」と思っていました。
というのは、私自身がもともと海外旅行に全く興味がなく、「わざわざ落ちたら死ぬようなリスクのある飛行機に乗って旅行とかありえないだろ!」みたいな考えの持ち主だったのですが、初めて行ったイタリアの凄さに感動して「海外旅行最高!」ってなったからです(笑)
それに、こんなイタリアを見たらさすがに何も感動しないということはないとも思っていました。
※ 以下はそのときの旅行の実際の写真です
ミラノのガレリア
ミラノのドゥオモ(大聖堂)
ボローニャの市街地
ベネツィアのサンマルコ広場
ミケランジェロ広場の展望台から見るフィレンツェの街並み
トレビの泉(ローマ)
サンピエトロ大聖堂(バチカン)
写真を見ただけでも「おー!」とか「綺麗!」「凄い!」ってテンションが上がると思うのですが、残念ながら新人Kさんには全く響かなかったようです。
終始仏頂面ですし、「日本に残って仕事をしていたかった」「金も無いのにイタリアにきてもしょうがない」というような愚痴を言っていましたからね。
私は旅行が趣味なのでいろいろな国に行ったことがあるのですが、その中でもイタリアはもっとも好きな国のひとつ。
そのイタリアに来ても1ミリたりとも感動しないのであればしょうがありません。
「Kさんの視野が広がるかもしれないいい機会だと思ったけど無理そうだな。あんまりいろいろ言うのも価値観の押しつけになるからそっとしておこう」
私は、せっかく来たので自分がイタリアを満喫することに集中することにしました。
イタリア旅行に行ったメンバーについて
いい機会なので、法人営業物語が好きな読者のために、イタリア旅行に行ったメンバー(社員)の集合写真をお見せしながら簡単に紹介させて頂きます。
※ 全く興味の無い方は、この章を飛ばして次の章に飛んでください。
面白いエピソードを紹介していますので!
この写真はベネツィアに向かう船の上で撮影した社員の集合写真です。
写真の左側から簡単に紹介していきます。
Aさん
写真の一番左側のAさんは、4人で創業した会社に始めて入社してくれた人です。もともと社長と私と同じ訪販会社で働いていたのですが、めちゃくちゃ優秀で仕事が出来るので、私が社長に提案してヘッドハンティングをしました。
その当時は、倒産の危機を逃れ何とか軌道に乗り始めたものの、オフィスはワンルームマンションの1室だったのですが、そんな状況にも関わらず「みんなと頑張ってやってみたい!」と入社を決めてくれました。
案件が少ないときは営業部で、案件が増えて回らなくなったら自ら志願してコンサル事業部でと組織のために大活躍。
Aさんがいなかったら、2年目以降の快進撃は絶対にありませんでした。
ちなみに、このAさんはめちゃくちゃイケメンで女性からもモテますし、宅建に1週間という信じられない短期間の勉強で合格してしまうという頭も良い人です。
新人Kさん
Aさんの右隣りに座っている黒い服を着ているのが新人のKさんです。
Kさんに関しては先日の記事でも簡単に紹介しましたし、今後何度かブログ記事で登場するので紹介はしません。
内勤の女性社員Kさん
前の椅子に座っている白いフード・白い鞄の女性は内勤の女性社員のKさんです。
実は、この人は一番右に写っているOさんの彼女さんなんですよ。
会社の成長と共に事務作業が増えたときに、Oさんが「自分の彼女でよければ」と紹介してくれて、仕事を手伝ってくれていました。
コンサル事業部のKさん
3人目のKさんは、もともと営業部だったのですが1件も売れずにコンサルティング事業部に異動になった人です。(Kさんが多くて分かりづらいですよね)
このKさんはヘッドハンティングではなく、求人広告で応募してきた人で初採用した人社員です。
とても大人しく、初商談のときに誰が見ても手が震えているのが分かるくらい緊張してしまうようなタイプですが、頑張って定着してくれました。
コンサル事業部のYさん
通常は、営業部で営業の仕事をさせて適性が合わない場合コンサルティング事業部に移動してもらうという流れなのですが、このYさんは社長と私が「絶対にコンサル業務に向いている」と最初からコンサル事業部で働いてもらうためにヘッドハンティングした人です。
ただ、このYさんはバリバリ仕事をする一方で、組織にセクショナリズムを生むようなことをするような曲者でもあります。
創業メンバーのAさん
写真のほぼ中央に写っている女性のAさんは、4人の創業メンバーで唯一の女性です。
真面目に仕事を頑張るだけでなく関西出身なので明るい一面もあり、会社のムードメーカーでもありました。
実は、創業1年目に全然売上が上がらず無収入が続いたときに、荷物をまとめて田舎に帰りそうになったのですが踏みとどまって頑張ったという根性の持ち主でもあります。
もともと、大手小売店(上場企業)で働いていたので、創業したてのベンチャー企業で働くことも、フルコミッションで事務仕事をすることもリスクでしかなかったと思うので本当に凄いと思います。
創業メンバーのNさん
Aさんの隣に写っているのが創業メンバーのひとりのNさんです。
鹿児島出身で訛りがとれず、頑固であまのじゃくで面倒くさいところもあるのですが、とても人間関係を大切にするタイプで憎めない人です。
Nさんの潜在能力は非常に高いのですが、やる気にムラがあるので頻繁に社長や私と衝突することもありました。
ただ、作業量が多く、失敗が許されないストレスだらけのコンサル事業部を形にした貢献者でもあります。
社長
Nさんの右隣でカメラを持っているのが社長です。
社長とはもともと同じ会社で営業マンをしていたのですが、「新しいビジネスを始めませんか?」と私を誘ってくれた人です。
イケイケでガンガン攻める私とは違い、思慮深く慎重に物事を進める頭脳派。
営業部のOさん
営業部のOさんは、Aさんと私が働いていた学習教材の会社で全国でもトップ3に入るような営業所の所長をやっていたので、「絶対に戦力になる」と確信を持ってヘッドハンティングをした人です。
営業力があるのはもちろん、デザインセンスも抜群なので提案書なども見違えるようなデザインにしてまうなど、何でもできて本当に優秀でした。
それだけではなく、趣味も豊富でいろんな遊びを知っているので、いろいろと教えてもらいました。
写真の撮影者Sさん(その当時営業部)
最後に写っていませんが、写真を撮影しているのは営業部のSさんです。
入社2か月目で1500万円を売り上げて順調な滑り出しだったのですが、3ヶ月目以降売れなくなり、コンサル事業部に異動になった人です。
見た目は清潔感があって好青年なのですが、闘争心が無く草食動物タイプですね。
以上がこの当時の社員紹介です。
初めてこのように紹介したので、法人営業物語が読みやすくなるでしょう。
これまで、登場人物がイニシャルで分かりづらいと思っていた方は、このメンバー紹介を読んだうえで過去の法人営業物語を読み返すといいと思いますよ!
新人Kさんがイタリアで起こした面白エピソード
めちゃくちゃ不満そうにイタリア旅行に参加していたKさんですが、旅行期間の1週間の間にいろいろとやらかしてくれました。
その一部をご紹介しますね!
夜中の外出事件
旅行の序盤で新人Kさんとホテルで同部屋になった日の夜のこと。
地名は忘れましたが、翌日はベネツィアだったのでその近くのホテルだったと思います。
私は明日のベネツィアのためにさっさと寝ようとしたら、Kさんがこんなことを言ってきました。
「ちょっと、外出してきますわ」
私は1度目のイタリア旅行で夜の街を歩いて現地のBARに行ったことがあるのですが、日本と違ってピリピリした危険な感じだったことを思い出しました。
ただ、来たくもないイタリア旅行に来て、「あれはダメ、これはダメ」も可哀想だし、Kさんも子供じゃないですから、「無茶すんなよ!」と言って止めなかったんです。
どのくらい経ったころでしょうか。
完全に寝ていたのですが、Kさんが帰ってきて目が覚めました。
「お、戻ってきたんだ…」
眠い目を擦りながら時計を見ると、Kさんが外出した時間から1時間弱しか経っていません。
「早かったじゃんか」というと、「いや、外にヤバい連中がいたんですよ。あいつら刃物持ってましたよ」とKさん。
私は心の中で、「だから言わんこっちゃない。ここはイタリアで日本とは全然違うんだって」と思いました。
中高生のヤンキーとかって、コンビニの前で屯するだけのために、夜に外出したりするじゃないですか。
ちょっと考えればイタリアの夜中が危険なのが分かっていて外出するなんて、コンビニに屯している奴らと変わらんと思いましたね。
ちなみに、カードキーが1枚しかなかったのですが、Kさんは外出中に私が出入りできないと困るだろうと部屋のドアを少しだけ開けたまま出掛けたらしんです。
そうです、私も知らないうちに危険に晒されていたわけです(汗
ゴンドラで怯えるKさん
ベネツィアはサンマルコ寺院や広場、嘆きの橋やホテルダニアリ、ベネチアングラスなどが有名ですが、誰もが思い浮かぶものにゴンドラがありますよね。
ベネチアは多くの島が橋で繋がれているので自動車やバイクは走っておらず、移動手段は陸路は徒歩、あとは無数に張り巡らされた水路を船での移動になります。
ですので、「せっかくベネチアにきたならゴンドラに乗るしかないでしょ!」ということで、何組かに分かれてゴンドラに乗ることにしました。
初めてイタリアに来た社員も多く、みんなワクワクした感じで順番を待っていたのですが、やっぱりというかKさんは黙ったままです。
ゴンドラに乗ったことがある方は分かると思いますが、めちゃくちゃ不安定で乗り降りするときに揺れるんですよね。
ですから、バランスをとるために船頭さんが「君はここ、次の君はここ」と座る位置を指示するのですが、身長190cm近くの体のでかいKさんはゴンドラの先頭に座らされました。
先頭に座っているので常にKさんが視界に入ってくるわけですが、よくよく見たら仏頂面というよりも顔面蒼白って感じだったんです。
「船酔いかな?」と思って「Kさん、大丈夫?」と声をかけると、想定外の答えが返ってきました。
「実は俺、泳げないんっすよ。マジで怖くって…」
それを聞いた社員の一人がゴンドラを軽く揺らしたのですが、尋常じゃないくらいビビッてましたね(笑
ただ、イタリア人の船頭さんにめっちゃ怒られてましたけど。
ドSの私は、「じゃあ、Kさんに飛び込んでもらおっか!」と言いましたが、「マジで勘弁してください」と真顔で言ってました(笑
ジェラート事件
最後はフィレンツェで起きたジェラート事件です。
イタリアはパスタやピザなど食べ物が美味しいのですが、デザートも美味しいものが沢山あります。
フィレンツェの市街地を散策していると、ジェラート屋さんがあったのでみんなで食べることにしました。
黙ってついてくるだけのKさんもジェラートは食べる気になったらしく、一緒に店内に入って注文をしたのですが…
ジェラートデカくないですか!?(爆笑
もうね、その場にいたメンバー全員が腹を抱えて笑いました。
「デカくね?」「何そんなにデカいサイズ注文してんだよ!」とかめちゃくちゃ突っ込まれてましたね。
ちなみに、Kさんは「違うんですよ、普通のサイズを注文したんですけど、出てきたのがこれだったんです。ぼったくられました(汗」と言っていました。
確か3000円くらいしたと言っていた記憶があります。
イタリアの店員が言葉の分からない日本人観光客を騙したのか、言葉が上手く伝わらず違うサイズと勘違いしたのかは分かりませんが、金もないのにイタリアまで来て3000円もするジェラートを買うことになるKさんを見て「運の無い奴」と気の毒に思いました…
というのは嘘で、笑いが止まりませんでした(笑
次回から元の路線に戻します
次回は「Kさんを襲った初めての悲劇」をお送りしますと言っておきながら、旅行ブログのような記事になってしまってすみませんでした。
ただ、コロナ禍で海外旅行にも行けないご時世ですし、たまにはこんな内容も良いかと思って思いっきり書いちゃいました。
次回からは、元の法人営業物語の路線に戻します。