「私は平均以上の能力はあるから、他の多くの人より優れている」と錯覚している人は多いです。
そして、能力が低い人ほど「自分は平均以上の人間だ」と自己を過大評価することも分かっているんですね…
そこで、今回は「大きな失敗やあなたの成長を阻害するリスクがあるレイク・ウォビゴン効果」について取り上げさせて頂きます!
自分は関係ないと思わずに読んでみてください。
レイク・ウォビゴン効果とは
レイク・ウォビゴンはギャリソン・キーラーの小説「レイク・ウォビゴンの人々」に登場する架空の村の名前からきています。
その村の住民は全て平均以上に美男美女で、子供たちはみんな平均以上に優れている設定なんですね。
ですから、レイク・ウォビゴン効果とは、レイク・ウォビゴンの村人たちのように、自分ことを「平均以上の能力を持っていると錯覚する傾向」のことで、社会心理学でいう「優越の錯覚」によって起きる現象になります。
取り返しのつかない失敗を引き起こすレイク・ウォビゴン効果
もしかしたら、「自分が周りと比べて平均以上と思うことの何が悪いの?」と思った方もいると思いますので、レイク・ウォビゴン効果が引き起こす取り返しのつかない失敗例を挙げてみます!
- 自分は事故を起こさないと思っているドライバーが事故を起こした
- 禁煙しようと思えばできると思って煙草を吸い続けたら健康を害した
- 私は慎重な性格で注意しているから感染しないと思っていた人がコロナ陽性になった
- 私はタフだと仕事を頑張り過ぎてメンタルが病んでしまった
きりがないのでこのくらいにしておきますが、このようにレイク・ウォビゴン効果は様々な失敗を引き起こすだけでなく、その中には取り返しがつかないようなものもあるので注意が必要です。
自分が平均以上の能力を持っていると錯覚してしまう理由
自分が平均以上の能力を持っていると錯覚してしまう理由は、自分を客観視できないことが理由のひとつと言われています。
大学試験を受けた学生の試験結果と自己評価の乖離を調べた調査があるのですが、学力下位の学生は試験結果と自己評価の乖離が大きかったという結果が出ています。
つまり、「能力の低い人ほど自己評価が高くなる」ということが分かっているんですね。
先ほど、「自分は事故を起こさない」と思っているドライバーや喫煙しようと思えばできると思いながら煙草を吸い続ける人の例をあげましたが、車に乗っている以上事故を起こす可能性はゼロではありませんし、健康に悪いと分かっている煙草を吸い続ければ、いずれは多かれ少なかれ健康に悪影響が出ます。
しかし、人間は自分で経験したこと以外は基本的に他人事ですので、「私は運転がうまいから事故を起こさない」とか「私は健康だから煙草を吸っても大丈夫」のように錯覚してしまうというわけ。
そして、その錯覚に陥り安いのが能力の低い人なんです。
さて、あなたは大丈夫ですか?
営業マンは自己評価が高くてはいけないのか?
この記事を読んでいる方の中には、「でも、根拠の無い自信や高い自己評価って、営業マンにとって必要じゃない?」と疑問を感じた方もいると思います。
確かにその通りで、何かあるごとに「自分はダメな人間だ…」と落ち込んでいるような人は、厳しい営業の世界でやっていくことは難しいでしょう。
ただ、私が見てきたトップ営業マンは、「根拠の無い自信」のような自己肯定感を持っている一方で、「臆病」「慎重」だったりしますし、常に「自分に足りないものは何か」と自分を客観視している人が多かったです。
要するに「自信満々なだけ」でも駄目ですし、「私にはできない」とネガティブなだけでも駄目。
営業マンとして成功するためには、自分の能力を過信するようなことがない一方で、根拠の無い自信を持ち合わせる必要があるということを覚えておいてください!