蟻の一穴天下の破れということわざをはご存じでしょうか。
このことわざは戒め系なのですが、以下のように類似したことわざが複数あるんですね。
- 千里の堤も蟻の穴から
- 千丈の堤も蟻の一穴から
- 蟻の穴から堤も崩れる
- 江河の大潰も蟻穴よりす
- 千町の堤も蟻の穴から崩れる
昔から重要なことわざとして受け継がれてきたのが分かると思います。
そこで、このことわざの意味や、ビジネスの現場で実際にあった事例などをあげて解説させて頂きます。
蟻の一穴天下の破れの意味
蟻の一穴天下の破れの意味は、ほんのわずかな不注意や些細な油断が、とんでもない失敗や大きな損害に至ることです。
蟻の一穴天下の破れの事例
営業マンであれば契約書の不備に厳しいのは当たり前ですが、私がいたBtoCの訪販業界には、「ハンコを押してもらうのを忘れた」とか「訂正印を押してもらわなかった」というような不備を頻繁にやらかす営業マンが沢山いました。
営業マンの中には、ミスドでドーナツを買ったときについてくるペーパーを使って…
(コンプライアンス的にアウトなのでこれ以上書けません)
「たかだかハンコくらい、もらいに行けば問題ないじゃん!」と思いますか?
BtoCの訪販の経験がある方なら分かると思いますが、再度ハンコをもらいに行くのはめちゃくちゃリスキーなんですよ。
ご存じの通り、訪問販売では「8日間は無条件解約ができる」というクーリングオフ制度があります。
ですから、契約後にノコノコとお客さまのところに再度足を運べば、お客さまにキャンセルするきっかけを与える「寝た子をおこす」ようなもの。
また、ハンコをもらうために再訪したら、商談のときにいなかった旦那さんの大反対で契約がおじゃんになることもありますからね。
ですから、私は新人営業マンには「記入漏れや捺印漏れがないか指差し確認しなさい!」と指導するくらいです。
人間が100%ミスしないのは不可能ですので、ミスを限りなく減らす工夫をすべきですからね。
失敗がいけないのではなく、不注意や油断がいけない
「じゃあ、パーフェクヒューマンじゃなきゃダメなんですか?」と思った方もいるでしょう。
ただ、失敗を恐れるがあまり言動が制限されてしまうのは本末転倒ですので、悪いのは「不注意」や「油断」だと認識してください。
ビジネスに限ったことではありませんが、不可抗力の想定外のことが起こるのはしょうがありません。
しかし、不注意や油断さえなければ怒らない失敗や損害は、自分次第なわけですからわざわざ起こす必要はないですから。