先日、書店に行ったら「ヨイショする営業マンは全員アホ」というタイトルの営業本が平積みになっていて、タイトルを見て思わず笑ってしまいました。
表紙や帯に「1%だけが知っている禁断の法則」とか「そんな綺麗事通用せえへんで」、「綺麗ごと一切なしの現場営業論」と書かれているので、「どれどれ…」と手に取って目次と気になるところを軽く読んでみたのですが…
結論から言えば、多くの営業マンにおすすめしたい良書でした!
この本にも書いてありますが、営業の現場というのは教科書に書いているような理想的な手法が通用しないことが多いですし、綺麗事を並べる営業マンが売れることはありません。
たったの1300円ですので、手に取って読んでみてください。
ただ、タイトルが煽り系なので「どんな本なの?」とか「本当に役に立つことが書いてあるのかよ?」という疑問を感じる方のために、私がレビューさせて頂きます!
目次
どんな営業マンが読むべき本か
たったの1300円でも無駄な本を買いたくないという方もいると思いますので、今回ご紹介する「ヨイショする営業マンは全員アホ」はどんな営業マンが読むべきかあげてみます!
- 新人営業マンや営業未経験者
- 年収1000万未満の営業マン
- 会社が用意したマニュアルや上司の指導で結果が出ていない営業マン
- 営業セミナーなどに参加しても売れるようにならない営業マン
- 営業本を読んだことがない・読んだことはあるがピンとくる営業本がなかった方
- 証券会社や保険会社など、金融系の営業マン
- 無形商材を扱っている営業マン
- 飛び込みやテレアポなどで新規開拓をしている営業マン
- 即効性のある営業手法を求めている営業マン
逆に、「新規開拓をしないルートセールスの営業マン」や「待っていればお客さまがやってくるカウンター営業の方」、あと、自分なりの営業手法を確立して既に年収数千万円稼いでいるような営業マンの方は読む必要はありません。
ヨイショする営業マンは全員アホの筆者について
本のタイトルが強烈な煽り系なので「どんな奴が書いた本なんだ?」と思う方のために、筆者情報をまとめておきます。
著者氏名 | 宋世羅(そんせら) |
年齢 | 31歳 |
出身地 | 大阪 |
経歴 | 野村証券・保険の営業マン |
その他 | YouTubeチャンネル運営 |
私がこの本を購入して読もうと思ったのは、先ほど書いたように「タイトルのインパクト」と軽く読んだときに「これは実践で使えることが書いてある」と瞬時に分かったこと、あとは、著者の宋さんが新規開拓の営業マンで現在はフルコミッションで働いているという経歴の持ち主だったからです。
ご存じの通り、私は長年訪販会社で新規開拓をしていました。
報酬体系はフルコミッション。
そういう厳しい環境の営業会社では、1ヶ月どころか1週間、早い人は3日続けることができません。私が見た最速記録は研修初日の休憩時間に姿を消しましたからね(笑
「ヨイショする営業マンは全員アホ」の著者の宋さんが言うように、教科書通りの机上の空論で営業するような営業マンが生き残れるような世界ではありません。
ですから、「綺麗事は通用せえへん」「綺麗事一切なし」は完全同意なんですね。
また、「俺は慶応大学出身だ」とか「〇クルートで営業マンしてました」とか「〇-エンスでバリバリやってました」なんて息巻いていた営業マンが1件も契約を取れずにやめていくのを見て、「やたらと学歴にプライド持ってる人」や「大手企業の看板で営業していた営業マンって全然売れねえじゃん!」とも思っていました。
だから、私は「私は〇〇の営業マンです」と誇らしげに名刺を出してくるような営業マンの営業力を信用しませんし、更に言えば、セミナーをしている講師や自称営業コンサルタントのほとんどは「今日明日数字が欲しい営業マンが欲している実践的な営業手法なんて教えられない(そもそも持っていない)」と思っています。
ですから、「ヨイショする営業マンは全員アホ」の前書きに、書籍でもセミナーでもYouTubeでも、世の中には綺麗事の茶番営業ノウハウが溢れかえっています
と書いてあり、「本当にその通り!」と思ったというわけ。
ただ、「でも、宋さんは元野村証券でしょ。十分大手だし、会社の看板使えるじゃん」と思う方もいるでしょう。
確かに〇田商事のようなわけのわからない詐欺集団の投資話よりも野村證券の方が信用性が高いのは間違いありませんが、証券会社や保険の会社で生き残るのがどれだけ難しいかを考えれば、実力者であることに間違いありません。
営業本「ヨイショする営業マンは全員アホ」のおすすめポイント
ここからは、「ヨイショする営業マンは全員アホ」のどこがおすすめなのか具体的にお話します!
営業の常識を気持ち良いほどバッサリ切り捨てている
「ヨイショする営業マンは全員アホ」を読めば分かりますが、1章のタイトルが「教科書通りの営業から脱却せよ」で以下のような内容が書かれています!
- オウム返しはアホだと思われる
- 取ってつけた雑談はすぐにバレる
- 「分かりません」はあり得ない
- 一度断られたら、次はない
- 「小さなイエスの積み重ね」も×
「え!?自分が教わっている(知っている)ことと違う」って思った方も多いのではないでしょうか。
ただ、営業の常識通りにやって売れるようになれるのであれば、みんな営業マンになって年収1000万円以上稼いでますよ(笑
ですから、これまで営業本を読んでも役に立たなかったという方は特に読む価値ありです!
口語体で書かれている
これは著者の宋さんが狙っているかどうか分かりませんが、「ヨイショする営業マンは全員アホ」は全編に渡って口語体で書かれています。
更には「どういうことやねん」のような関西弁、「ゴリついていけ」とか「これめっちゃ間違い」「ぶった切って」「イキりちらして」というような普通のビジネス書では使われない言い回しもあるんですね。
私は、これに関して「非常に良い」と思いました。
どんなに丁寧な言葉で書かれていても、「読んでいてヒシヒシと使わってくるものがない本」とか「眠くなるような本」では意味がありません。
口語体で書かれている方がライブ感がありますし、言葉使いから宋さんの人となりや性格が伝わってくるからです。
自分で考えろとか抽象論がない
「ヨイショする営業マンは全員アホ」では、「自分で考えてみてください」というような最後を読者に委ねたり、抽象的なことが書いてありません。
「この場合はこうすればいい」とか「こうしろ!」のように、どうすべきががハッキリ書いてあります。
思うんですけど、部下の質問に対して「自分で考えろ」っていう上司って多いじゃないですか。
もちろん、部下自身に考えさせた方がいいこともありますが、私が思うに「こうすればいいよ!」という明確な答えを上司が持っていないことも原因だと思うんですよ。
要するに、上司の逃げです。
「こうやってみろ!」と言って結果が出なければ、質問してきた部下はもちろん、それ以外の部下からも「課長の言うこと聞いても全然結果が出ねえじゃん」って思われますからね。
ちなみに、私の長い長い営業人生で、私と現場に出てガチンコで勝負してくれた上司は2人しかいませんでした。
結局、昔は売っていたかもしれないけど、今のマーケットで売る自信がない。
そんな人ばっかりです。
その点、「ヨイショする営業マンは全員アホ」の著者の宋さんは、「こうすればいい!」手法やフレーズを明確にしていますので好感が持てました。
自分の営業手法や考え方に自信がなければハッキリ言いきれませんからね。
まとめ
最後にひとつだけ。
当ブログには営業本というのカテゴリーがあるのですが、私があまり営業本を紹介しないのは「これは!」と思うような営業本がなかなかないからです。
もう一度言いますが、たったの1300円しかしません。
この程度の自己投資を迷ったりケチるようでは売れる営業マンなんてほど遠いです。
新規開拓を20年以上やってきた営業マンの私が太鼓判をおしますので、是非手に取ってみてください!