吉本興業の一連の騒動は考えさせられるものがありますよね。
人間は置かれた立場によって主義主張が変わりますし、家庭など過ごしてきた環境によって価値観や考え方も違いますので意見の対立はしょうがありませんが、今回の件は酷すぎます。
私は一緒に起業した社長にクビ宣告され、年収3200万円から無収入になった経験があるので、この件をスルーする気持ちにはなれません。
本音全開でぶちまけますので、気分を害する可能性があります。
それでもいいという方のみ、この先の記事を読みすすめてください。
目次
感情的になると物事の本質が見えなくなる
私がもっとも違和感を感じるのは、一連の吉本関係の騒動の発端が一部の芸人が反社からお金を受け取っていたことだったのに、いつの間にか宮迫さんと亮さんの二人の会見によって矛先が変わり、「吉本がブラックだからいけないんだ!」的な風潮になってしまっていることです。確かに昨日の岡本社長の会見の様子やいろいろな芸人さん達のコメントやツイートなどを見た限りでは吉本はブラック企業なんだろうなというのは感じます。
しかし、それで反社からお金を受け取ったことや、それを隠し続けてきたことがチャラになるわけではありません。
それに、反社とのパイプ役だった入江さんに話をさせないのも不思議です。
弁護士案件になっているからなのか、大人の事情なのかわかりませんが、これでは真相は闇の中じゃないですか。
「ファンと写真を取る際に、反社の人か確認なんてしません(わかりません)」と複数の芸人さんが言っていましたが、反社からお金を受け取ったのと町中で写真を撮ったことを同じテーブルにのっけて話すのは感情的になっていると言わざるを得ませんね。
無いとは思いたいですが、宮迫さんや涼さんが隠している真相や言っていないことがあったら、庇っている芸人さんはどうするつもりなのでしょうか?
もちろん、吉本側が何かを隠している可能性もゼロではありませんが・・・
私達の会社にもいますよね。
感情的になって建設的な話ができなくなる人って。
そういう私も若い頃はカッカしてましたので人のことばかり言えませんが、覚えている限りでは感情的になったときにいい結果を招いた試しがありませんね。
不満があるならこういう状況になる前に会社と戦うべき
ダウンタウンの松っちゃんや極楽とんぼの加藤さんに「かっこいい」「漢だ」とか絶賛する意見がありますが、個人的には「何も行動を起こさない人間より格好いいけど、何故もう少し早く行動を起こさなかったんだ」と感じます。※ お二人のことが嫌いではないので誤解しないでください
だって、世論が後押ししてくれそうなタイミングに乗っかった感が半端ないんですもん。
あの岡本社長の会見を見る限りブラック体質は昔からでしょうし、「若い子は怖くて物申せない」というような発言もありますからね。
確かに、こんなときでもないと声をあげられないという気持ちは分からなくもないですが、本当に会社や後輩たちのことを思っているのであれば、こんなことになる前に会社と戦ってますよ。
もしかしたら、このお二人も言わないだけで過去に戦ったことがあるかもしれませんが・・・
思うんですけど、組織の中である程度以上の影響力を持っている人は、組織に対して間違っていることは「間違っている」と言わなきゃ駄目ですよ。
あなたは、「おかしいな・・・」と思いながら我慢できるかもしれませんが、何も言わなければあなたの後輩たちが同じ苦しみを味わいますし、組織のおかしな文化が変わることもないんですから。
面従腹背した芸人さんは自動自得
宮迫さん涼さんの会見、松本さんと加藤さんの発言、岡本社長の会見などを見てから、本音や暴露のツイートをしている芸人さん達がわらわらと出てきましたが、私に言わせれば自動自得です。自分の保身の為に面従腹背決め込んでたからこういうことになったわけじゃないですか。
6000人も芸人さんがいるんですから、大多数の芸人さんが声を上げれば会社は無視できなかったはずです。
会社だけじゃなくて学校でも同じようなことあるじゃないですか。
例えば、ちょっとヤンチャで怖い同級生がいじめをしているのを見たときに、「やめろよ!」って声を上げる人どれだけいますか?
教師も含めて見て見ぬふりをした結果、いじめの対象になっていた子が追い詰められて自殺なんてこと、これまでにも沢山ありましたよね。
私に言わせれば、声をあげないのは、いじめの加害者ほどではないですが罪深いです。
私達は大人ですからね。
間違ったことを間違っったと言わずにだんまり決め込むなんて、あまりにも情けないですよ。
吉本は初動があまりにも遅い
別に芸人さんを一方的に攻めるつもりはないので、ここからは吉本側の問題について。確かに、今回の問題は一部の芸人が反社からお金を受け取り、それを隠していたり嘘もつかれたわけですから、会社側にしてみれば当事者芸人を信用できないでしょうし、事実を徹底的に調査したい気持ちもわかります。
ただ、所属芸人が問題を起こしたのは事実なわけですから、真相はどうであれ「申し訳ございません」と謝罪した上で、「事実関係がハッキリしましたら再度会見を開かせて頂きます」のように対応しておけばよかったんですよ。
グズグズしているから、「都合が悪いことがあるのではないか」「何か隠しているのではないか」って勘ぐられちゃう結果を招いたわけです。
ズバリ言えば保身ですよ。
私達の会社組織でも、クレームなど本当にいろいろな問題が起こるじゃないですか。
そういうときは、1秒でも早く行動を起こすべき。
そして、謝罪すべきことは素直に謝ってしまうことです。
一部の芸人を除いて駒としか思ってない
横暴な経営者やブラック企業でよくあるのが、所属している社員やスタッフを駒としか思っていないこと。「お前の代わりなんていくらでもいる」「別にお前がいなくなっても会社は回るから」
そう言われた経験のある人って多いのではないでしょうか。
でも、これって大きな勘違いなんですよね。
代表取締役をはじめとした専務・常務などの取締役、部長や課長などの役職は「偉い人」ではなく「会社から一定の権限を与えられた人」なだけなんですよ。
「お前ら全員クビにする力がある」と岡本社長が本当に言ったのであれば、マネージャー上がりの雇われ社長の大いなる勘違いと言わざるを得ません。
当ブログに以前書いたことがありますが、私は一緒に起業した創業メンバーの社長に突然クビ宣告をされたことがあります。
私は「一人くらい社長に本音で物申す人間がいるのは会社のためだ」と思って入社初日からブレずにやってきましたが、それが気に入らないということで、段々と疎まがられるようになりました。
「白井さんの営業力が必要だ!」「創業メンバーだけは絶対に守りますので!」
そんな熱い言葉に心を打たれ、福利厚生どころか固定給なしのフルコミという条件でスタートし、初年度は給与ゼロで朝から終電まで働いて会社を軌道にのせたので、家族以上の絆を感じていました。
しかし、それは私だけだったようです。
最後は、話し合いすら避けられ、社長の金魚のフンのようなイエスマンが盾になるような感じになったので冷めましたね。
結局、私は駒だったんです。
ちなみに、私と一緒にクビになったメンバーのほとんどが経済的におかしくなって家庭を失いました。人を駒扱いする経営者や上司は、部下の後ろにいる家族のことなどなんとも思っていないんでしょうね。
その当時、私は父親の自殺や母親の闘病などあった時期で、ただでさえ人生最悪のときに収入が途絶えて地獄をみましたが、1ミリも後悔していません。
間違ったことに迎合して、人間としての尊厳を失いたくないですから。
悪さをしたから恫喝やパワハラしていい訳ではない
芸人さんに限らず、悪さをしたりやらかす人ってどこの会社にもいます。だからといって、恫喝したりパワハラが許されるなんてことはありません。
これも、私は強烈な経験をしています。
訪販の会社で、不正販売とかではなく、単なる成績不振を理由に「怒鳴る」「人間否定をする」「暴力を振るう」という会社がありました。
そのマネージャーが自分もそのように育てられたので、世間的には犯罪行為ですが間違っていると1ミリも思っていないからたちが悪かったんですよね。
自分が部下を育たてられないことを棚にあげてパワハラなんて本当に狂ってる。
職場の仲間に対して恫喝とかパワハラする人の頭の中ってどうなってるんでしょうね。
私は、どんなに仕事が出来ても、こういう人間に対しては軽蔑以外の感情を持つことはありません。
外野からSNSで無責任なことを発信する民度の低い日本人
あと、吉本の一連の騒動に対して、Twitterなどで好き勝手なことをツイートしている人に対しても疑問を感じましたね。もちろん、人それぞれ考えが違ってもいいですし、言論の自由がありますから「やめろ!」とは言いませんが、発言内容があまりにも民度が低いと言うか・・・
例えば、宮迫さんと涼さんを散々叩いていたのに、お涙頂戴会見や吉本の岡本社長の会見をみたら手のひらを返したように吉本を叩くみたいなね。
日本人って自分自身は守りに守るくせに、他人はガンガン叩くじゃないですか。
22日のスッキリの放送を受けて、「加藤辞めるんだろな?」のように煽るツイートが沢山ありましたが、加藤さんやその後ろにいる家族の人生がかかっていることを少しでも考えろって言いたいです。
確かに加藤さんは少々芸人よりですし感情的になっていましたが、相当な覚悟を持って発言していましたし、加藤さんの状況を考えたら胸が苦しくなって涙が出ましたよ。
何も考えていない悪意のあるツイートや悪ふざけのツイートって分かりますからね。
胸糞悪くなりました。
まとめ
最後に、違った角度から一言。こういう大人たちのつまらんゴタゴタを見たら、若者が社会に対して冷めて当然ですよ。
若い人は肌感覚で敏感に感じますからね。
選挙だって、国や政治家に魅力のある大人がいたら、自然に投票に行きますって。
今回は、芸人さんと吉本興業という図式ですが、これは今の日本社会の縮図だと思います。
こういうくだらんことが無くならない限り、日本は沈没するでしょうね。