
「業界最大手が強すぎる!」とか「ベンチャー企業は業界大手と比較されたら戦いようがない」と嘆いたり悩んでいる営業マン向けの記事です。
資本金や業績、導入事例など、何一つ勝てる要素がないと「あそことバッティングしたら最後。契約になるわけない…」と諦めたくなる気持ちになりますよね…
ただ、戦い方を工夫することで、圧倒的不利なベンチャー企業が業界最大手から案件を奪うことができるんです!
今回は、私が創業したばかりのベンチャー企業の営業マンとして、業界最大手の会社から案件を奪いまくったときにしたことを可能な限りお話ししますので、強い競合他社のバッティングに勝つためのコツとして参考にしてください。
私が戦った時の現状
本題に入る前に、私が所属していたベンチャー企業と、戦っていた業界最大手の会社にどの位の差があったか、どんな状況だったかを簡単にお教えします。
【業界】家賃削減のコンサルティング
【所属していたベンチャー企業】
- 資本金300万円
- 営業マンは私ひとり
- 業界未経験社4人
- 誰一人業界にコネなし
【ライベルの業界最大手】
- 資本金1000万円(その後どんどん増資)
- 既にその業界でオピニオンリーダー
- 元銀行員など法人にコネがある営業マン多数
- 大手企業との契約など実績も十分
- 右肩上がりで業績絶好調
- 他の事業にも進出し、多角経営化で拡大戦略邁進中
はっきり言って、完全にその業界は牛耳られている状態で、私が所属したベンチャー企業は完全に遅れをとっていました。
私は訪問販売の営業マンとしての経験しかなく、法人営業がどんな世界か知りませんでしたし、私をベンチャー企業に誘ってくれた創業メンバーが都合の悪いことは教えてくれなかったんです。
もし、上記のような状況だと事前に知っていたら、私はベンチャー企業の創業に参画していなかったかもしれません(笑)
業界最大手からベンチャー企業が案件を奪うためにやるべきこと
ここからは、どのようにして私が業界最大手からビシバシ案件を奪ったについて具体的にお話しします。
正直に言うと、業界最大手とバッティングして最初から案件を奪えたわけではありません。
「コネクションを使いまくって企業に入り込んでる元銀行員営業マンに、どうやって勝てっていうんだよ…」と投げやりな気持ちにもなりました。
ただ、逆にいえば絶望的な気持ちになったからこそ、勝つためにはどうしたら死ぬほど考えるキッカケになったんだと思います。
どんなことをしたのかについては、以下の通り。
徹底的に相手を研究する
普通にやっていたら絶対に勝てないので、相手のことを徹底して研究しました。
商談相手からライバル会社の資料をもらう
業界最大手だけあって、商談に行くと本当にあちこちでバッティングするので、商談相手の社長にお願いしてライバル最大手企業のパンフレットや資料を定期的にもらっていました。
定期的にもらっていた理由は、ライバル企業も試行錯誤して提案書などの手直しをするでしょうから、相手の商談スタイルが変わったことを察知して対策したかったという理由があったからです。
飛び込み営業マンのフリをしてライバル会社に訪問
商談相手からライバル会社の名前が本当によく出るので、実際にどんなところに、どんなテナントを借りて、どんな事務所を構えているかを直接見るために足を運びました。
また、オフィスの中も見れるかもしれないと思って、飛び込み営業マンのフリをして訪問しましたが、門前払いされました(笑)
展示会に言ってデモンストレーションを受ける
これは以前に当ブログに書いたことがありますが、ライバル会社が幕張メッセの展示会でブースを出したときに、ニーズのあるお客さんのフリをして訪問し、営業マンから直接デモンストレーションを受けました。
商談相手から資料は入手できても、どんな雰囲気でどのような内容を話しているかまではわかりませんからね。
携帯番号を聞かれ、その後何度も売り込みの電話が営業マンからきたのは言うまでもありません…
他にもいろいろやりましたが、絶対にやってもらいたいのは、相手がどんな提案書を使って、どのようにデモンストレーションをしているかを知ることです。
強い業界大手と同じ土俵で戦っても消耗するだけですからね。
ライバル会社と違う戦略をとる
徹底してライバル会社のことを研究したら、それをもとにして「ライバル会社とは違う戦略」を考えてください。
以下は、私がとった戦略の一部になります。
圧倒的な商談と契約数を確保する
当たり前といえば当たり前ですが、ライバル会社が銀行コネクションを駆使して比較的大手企業を攻めていたいので、こちらは個人店や零細企業などを中心に商談数や契約数で圧倒する戦略をとりました。
法人営業マンをある程度の期間やったことがある営業マンならわかると思いますが、「え!?この社長があんな大きな会社の社長と知り合いなの?」ってことが多いんですね。
実際に2店舗経営している会社の社長が、その社長の会社よりも規模が大きい会社の社長を何十人も紹介してくれたなんてこともありました。
もちろん、会社の成長とともに商談相手の会社の規模は大きくしていきましたが、最初から大手狙いを続けていたら、業界最大手との戦いに敗れて倒産していたでしょう。
ライバル会社より受注条件を若干緩くする
私が所属していたベンチャー企業が営業を開始したときには、業界最大手のライバル会社は圧倒的オピニオンリーダー的存在で案件を選べる立場になっていました。
ですから、コンサルティングに入るかどうかの受注条件が厳しかったんです。
そこで、若干受注条件を緩くして、ライバル会社が入らない会社のコンサルに入るようにしました。
社員4人しかいませんし、オフィスも狭いので経費がかからないからできまいしたが、都内の一等地にオフィスを構え、多くの正社員を抱えたライバル会社にはできない選択でした。
商談で会社が小さいことを武器にする
実際の商談では、会社が小さいことをクライアントのメリットとして打ち出し武器にしていました。
家賃削減のコンサルティングに特化している
ライバル会社が成長とともに企業M &Aなど、家賃削減コンサルティング以外の事業を手がけたのを知って逆手にとしました。
「○社(ライバル会社)は、凄く成長していて素晴らしい会社ですよね。最近はM &Aを手掛けるなど多角経営化しているようです。ただ、一気に規模を拡大しているので社員の育成は大変ではないかと思っています。」
「家賃削減のコンサル業務は、不動産知識を学ぶだけでも時間がかかりますしね…」
「その点、弊社は家賃削減コンサルに特化していますので、業務のクオリティーには自信があります」
このように、特化しているプロ集団なので業務のクオリティーが高いことをアピールしました。
意思決定が早い・小回りが効くなど
企業規模が大きければ大きいほど、意思決定には時間がかかりますよね。
「役員会議を通さなければならない」
「稟議書にハンコがいくつも必要」
大企業のあるあるですので、この話をすれば商談相手の会社が大きければ大きいほど納得してくれます。
ただ、家賃削減は地主・家主さんの気が変わらないうちにスピーディーに進める必要があるので、「グズグズしていたら下がる家賃も下がらなくなりますよ」という話をし、意思決定が早い、小回りが効くことを武器としてアピールしました。
まとめ
ライバル企業が業界最大手であっても、戦い方次第で勝つことは可能です。
強いライバル会社から案件を奪うコツは、徹底した相手企業の研究と差別化!
ですから、対策なしにガチンコで戦うのはやめて、あなたの会社の強みが生かせる違う土俵を見つけて戦うようにしてください!