入社以来、その才能とセンスで個人の数字はもちろん、組織の数字も大きくアップさせてくれたOさん。
しかし、最後は予想以上にあっさりと辞めてしまいました。
そんな退職のゴタゴタから考えさせられたことがあったので、本音で書こうと思います。
退職するだけが悪いというわけではない
Oさんは、色んな意味で組織に波風を立てる人でした。
入社当初、全然テレアポをしないので「流石にみんなの手前、もう少し電話してください!」と私がお願いしたのに対して、「嫌です!」って言うんですからね(笑
こんな新人なかなかいませんよ。
更に、自分の案件をコンサルティング事業部でパフォーマンスのいいスタッフに優先的に回したがったり、他部署の働きが悪い人間を管理したり、挙げ句の果てには「私を右腕にしろ!」って社長に直談判するのですから。
正直、Oさんの言動に関してはいろいろと思うところがありましたが、だからと言って私は「退職する人間だけが悪い」とは思いませんでした。
「Oさんは違う組織なら退職に追いやられるようなことにはならなかったかもしれない・・・」
考えてみれば、ベンチャー企業ですから朝令暮改でいろいろなことが毎日起きます。数ヶ月もすれば組織がガラッと変わってしまいますから、入社のタイミングが悪かっただけかもしれません。
組織やそこに所属している人が、極めて優秀なOさんに対応しきれなかったのではないかとすら思いました。
退職が決まった途端に扱いが変わるのに違和感
これは今回のOさんの退職に限ったことではありませんが、退職が決まったスタッフに対する扱いがガラッと変わることに対して違和感を感じるんですよね。
触れてはいけないというか、腫れ物にさわるというか、とにかく、これまで同じ釜の飯を食ってきた仲間とは思えない態度を取る人間が増えて微妙な空気になるんです。
会社のお金を横領したなどの犯罪行為で退職していく人間に対する態度が変わるのであればわかりますが、いろいろあったとはいえ、組織の成長に一役買ってくれたわけですからね。
「今後、一緒に働く人間じゃないしな・・・」とでも思っているのでしょうか。
とにかく、私は気持ち悪くなりました。
結局、たいして使えないイエスマンが残る
実は、この退職にはいろいろと裏事情があるんですよ。
細かく説明すると長くなりすぎるのでやめますが、中小企業の人事権を掌握している社長は、最終的にはイエスマンを選びますね。
例えそれが表面的なものであったとしてもです。
私は、組織の成長を考えれば、社長に右に習えでしっぽを振り続けるような人間だらけでは駄目だと思うのですが、村社会日本では、ちょっと本音を言ったり、上に楯突こうものなら危険人物扱いですからね。
雇う側の器の問題。
イエスマンしか使いこなせないんですよ。
私は、ちょっと個性的くらいな方が組織にとってはいい人材だと再認識しました。
ライバル営業マンが残した最後の言葉
さて、いろいろありましたが、引き継ぎも終わり、Oさんが出勤してくる最後の日がやってきました。
私が営業部の責任者に返り咲くことでOさんが降格になることも退職に影響していますので、複雑な心境だったんです。
デスクの片付けも終わり、「じゃあ、帰りますね!」となったときに、Oさんが営業部のメンバーに対して、予想もしないことを言い放ちました。
「お前らがどんなに頑張っても、白井さんに勝てる日は絶対にこないから!」
営業成績で負けてしまった悔しさなのか、自分の部下に対する最後のはっぱを掛けなのかはわかりません。
ただ、私は心の中で「ありがとうございました!もう少しOさんと一緒に仕事がしたかったです・・・」と感謝するのが精一杯でした。
やっぱり、どんな別れでも切ないものですね・・・
そして、それから営業部の責任者として、新たな戦いが始まったのです。