私が若い頃は「お客さまに好かれよう!」なんて思ってもいませんでした。家出して戻るところがないので「売らなければ終わり」というのもありましたが「売れさえすればなんでもいい」という価値観だったんです。
しかし、ある程度売れるようになり、仕事や生活に余裕が生まれると「お客さまに好かれる営業マンになりたい!」と考えるようになりましたが、現在は「お客さまに好かれよう!」と思わなくなっています。
「売れれば何でもいい」→「お客さまに好かれる営業マンになりたい!」→「お客さまに好かれようとする必要はない」と心境が変化したわけです。
そして、長い営業人生を振り返っておもうのは「お客さまに好かれよう!」は営業マンのエゴだということです。
どういうことか、お話ししますね!
お客さまに好かれたい営業マンは、お客さま思いではない
営業マンが「お客さまに好かれたい」と思う理由ってなんでしょうか?
ひとつは「売るため」に好かれたいという理由があげられます。健全と言えば、健全と言えるかもしれません。
ただ、それは営業マンの仕事は何か?が分かっていればですが…(答えは、この後出てきますので、考えてから読みすすめてください)
もうひとつは「嫌われたくない」「自分を良く見せたい」という承認欲求を満たすため。
テレアポや飛込み営業で「けっこうです!」を貰ったくらいで落ち込んでいる営業マン達に対して、「どんだけ他人から好かれたいと思っているんだよ…」って本気で思います。
売れない営業マンの中には、嫌われるのが嫌だからクロージングをかけられないというタイプがいますが、「じゃあ、ご検討してご回答ください!」なんて保留にすれば好かれるとでも思っているのでしょうか。
そんな営業マンが「たいした奴だ!」と褒めたたえられることもなければ、好かれることもないのに…
本当におめでたいとしか、いいようがありません。
お客さまのメリットになるのであれば、嫌われても構わない
さて、先ほどの営業マンの仕事は何か?の答えをお教えしますが、営業マンの仕事はお客さまにメリットを与えることです。
営業マンの仕事は、それ以上でもそれ以下でもありません。
ここに「お客さまに好かれるかどうか」という要素は必要ありませんし、百歩譲ったとしても「お客さまに好かれること」が営業マンの最優先事項にはなり得ません。
私の過去に経験した実話をご紹介します。
法人に経費削減のコンサルを勧めていたときのことなのですが、導入すれば年間で〇千万の経費削減に繋がる提案をしているのに、全然響かないどころか「ほぼ喧嘩状態」になってしまいました(笑
そのときの様子は、以下の過去記事に書いてあります。
多分、先方の社長は、私のことは大嫌いだったと思いますが、導入した結果、全教室の経費削減に成功しましたからね。
「めちゃくちゃ気まずかったけど、強引に勧めてよかった」と本気で思いました。
好かれることだけを考えている営業マンには、到底出来ないと思います。
まとめ
「〇〇さんを信用して申し込みますので、よろしくお願いしますね!」なんて言われると、「信頼されたんだな」「好かれたんだな」と思うかもしれません。
でも、それは営業マンの勘違いです。
「よろしくお願いしますね!」」の裏には「ちゃんとお願いしますよ!」という裏意味があることに気が付きましょう。
ですから、商談で100%お客さまに好かれようなんて、営業マンのエゴでしかありません。本当に好かれるのは、商品を購入したり、サービスを導入したお客さまがメリットを享受したときです。
その頃には、勧めてくれた営業マンのことなど忘れてしまうお客さまも多いんですけどね(笑