
数と質。
営業で言えば、訪問数が数、成約率が質と言えます。
「質」に拘るのは悪くはありませんが、そこには大きな落とし穴があることに気が付いていますか?
営業マンにはどうしても数が必要です。
今回はその理由について。
営業において数が重要な理由
私は「根拠のない精神論」や「教育という名のイジメ」みたいなことが横行している営業会社に居た頃がありましたが、そういうのはヘドが出るほど嫌いでした。
ですから、営業の質をあげることに関しては異論はありませんが、その一方で数を忘れてはならないとも思います。
ここ最近の風潮として「超効率営業」とか「訪問しなくてもトップになった」みたいな「質」というか「楽」なイメージが浮かぶようなタイトルの営業本が多い気がするんですよね。
面白い切り口だと思いますし参考になることも沢山ありますが、問題は「質さえあげれば営業成績が上がるのでは!?」とと勘違いしてしまう可能性があることです。
何故、数が必要なのでしょうか?
具体的に説明しますね。
質ばかりいう人は「楽をしたい」という気持ちがどこかにある
今から10年くらい前に所属していた訪販の会社での出来事です。
この会社で比較的コミュニケーションをとっていたSさんという営業マンがいました。
このSさん、尋常じゃない人間力を持っていて営業の素質は十分なのですが、とにかくサボるサボる(笑
アポをかけるのが嫌で業務中に抜け出しては、その会社のオフィスが入っているビルの踊り場で大の字になって寝ちゃうような人です。(ある意味大物ですよね)
あと、オフィスで周りの営業マンがアポをかけまくっている中で、自分一人だけなんだかんだと理由をつけてアポをしない(笑
数を確保した上(努力した上)での「質」ならわかりますが、こういうのは単なる楽をしたいだけです。
質ばかりいう人は売り上げが頭打ちになる
これはもう単純です。
月に5デモ(商談)しか打たない営業マンと、20デモ(商談)打つ営業マンとではチャンスの数が4倍も違います。
もちろん、扱っている商品やサービスによっては単価を上げることによって売り上げもあげられますが、デモ数が少ないと売り上げの限界がどうしても見えてきます。
質ばかりいう人は低迷したら半端ない
営業というのは、どんなトップセールスでも好不調の波があります。
ましてや、質ばかり追求して経験不足の営業マンであればスランプは100%やってきます。
ところが、月に5デモ(商談)しか打たない営業マンは、スランプを脱出しようにもその機会が少なすぎるんですね。
また、経験も足りないので「何故、スランプになったんだろう?」と考えても答えが見つからないんです。
「そりゃ〜、ただ単に数が足りないんだよ」と言っても、このタイプは聞き入れませんしね。
スランプを抜け出せないまま消えた行った営業マンを数えきれないほどみてきました。
数をこなす中で質は磨かれる
これは営業に限らないと思いますが、そもそも最初から質を追求することはできません。
バットを振らなければヒットは打てませんし、ヒット数を増やそうと思ったら打席に立ち続ける以外に方法がないわけです。
そういえば、4000本安打を達成したイチロー選手がこう言ってましたよね。
「4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」
この言葉、あなたはどう思いますか?
まとめ
当ブログでも何回か言っていますが、私は根拠のない精神論は嫌いです。
しかし、新人のうちから、結果が出ないうちから質ばかりを追いかけるのはどうかと思います。最近の風潮に少し違和感を感じていたのでお話ししました。
営業ビズには、営業の心得に関する記事が沢山あります。
売れる営業マンになるために営業テクニックは必要ですが、営業マンとしての心構えも大切ですので他の記事も参考にしてみてください!