最近、ご近所の方と世間話をしたときに、とても印象に残った言葉があったのでご紹介します。
学歴はお金で買えるけど、教養はお金では買えない
いやいや、なかなか深い言葉ですよね。
まさか、ご近所の方との世間話で出てくるとは思ってもいませんので、思わぬ収穫でした。
今回は、この言葉をお題に話をすすめます。
学歴はお金で買える
私は年功序列や固定給の会社で働いた経験が2年間しかありません。それ以外は、全てフルコミの会社でしたし現在は起業していますので、安定とは無縁なビジネス人生を送ってきました。
ですから、大企業に蔓延っている「学閥」やら「学歴フィルター」で入社希望者を篩に掛けるのは、本当にくだらないことだと思います。
ただ、学歴を100%否定する気はありません。
遊びたい盛りの学生時代に机に向かって勉強して努力しているわけですから。
でも、その一方で「学歴はお金で買える」という現実もあります。
ご存知の方も多いと思いますが、国立の東大生の親の世帯年収でさえ60%以上が年収950万円以上ですからね。(平成12年調べ)これが私大で幼稚舎からエスカレーターで大学までとなったら、その家庭の世帯年収は950万どころでは済まないでしょう。
要するに、超資産家やお金持ちの家に生まれた場合、受験とは無縁の楽しい学生生活を送れる上に高学歴という特典まで付いてくることになります。(当然ですが、その後の就職などでも有利)
また、そこまで裕福な家庭では無かったとしても、難関大学に合格する生徒の多くが「中高一貫の受験校+有名進学塾に通っている」というのが現実でしょう。
まさに、「学歴はお金で買える」というわけです。
幼稚舎からのエスカレーターがエリートという現実
エスカレーターの私立には「内進生」と「外進生」という言葉があるのはご存知でしょうか。
知らない方のために簡単に説明すると、内進生というのは、エスカレーターで進学してきた生徒で、外進生というのは受験で合格して入学してきた生徒のことを言います。
さて、ここまでは前置きでお伝えしたいのはここからです。
以前、東京の超有名難関私大の大学生がこんなことを言っていました。
「うちの大学では、幼稚舎からエスカレーターで上がってきた生徒が本当のエリート扱いなんですよ!」
その生徒は、その現状に対して不平不満もなければ嫉妬もしていませんでしたが、聞いている私はこう感じました。
「幼稚舎からずっとエスカレーターがエリート…?世間知らずのお坊ちゃんお嬢ちゃんじゃん?」
でも、これが現実です。
人間生まれながらにしての平等はありません。
生まれた家庭環境で全てが決まるとは言いませんが、恵まれた家庭に生まれた人は「大きなアドバンテージ」があるのはれっきとした事実です。
人生はお金で買えないもので決まる
営業のノウハウやコツを中心にお送りしている当ブログで「学歴はお金で買えるけど、教養はお金では買えない」というテーマを取り上げたのには理由があります。
それは、最近就活生とミーティングする機会があったのですが、その中の一人がとにかくネガティブなんですよ。
「僕はFラン大学だったし、大学時代に特に何もしてこなかった。こんな自分が有名大学の大学生と就活で戦えるわけがない…」
もうね、戦う前から戦意喪失…
で、思ったんです。
「営業マンの中にも、学歴コンプレックスを抱えている方って多いんじゃないかな…」と。
「本当は営業なんてしたくない」
「他人にペコペコ頭下げて、何やってんだろう…」
でも、私個人的には「人生はお金で買えないもので決まる」と思ってるんですよね。
というか、だんだんそう思うようになってきました。
そう考えると、学歴はお金で買えますので、学歴が人生を決めるわけではないということになります。
営業は教養をつけるのに最高の仕事
結局、最後は営業の話になってしまいますが、営業の仕事は教養を身に付けるには最高の仕事です。
「え、でも営業マンなんて詐欺師みたいなもんじゃない?」
「自分の数字のために他人にものを売りつける営業マンのどこに教養があるの?」
世間の多くの方、もしかしたら営業マン自身もこう思っているかもしれませんが、それはレベルの低い営業マンが多いからに他なりません。
本当の実力のある営業マンは、お客様第一主義。
ですから、「このお客さまには必要ないな…」と思ったら、自ら提案を引っ込めることもありますし、ライバル会社の商品やサービス情報を教えることもあります。
要するに、営業の仕事を通して教養をつけられるかどうかは、営業マン自身次第というわけ。
例えば、月末にあと1本売れば昇格という状態で、今月最後の商談に臨んでいるとしましょう。
契約は喉から手が出るほど欲しいし、目の前のお客さんは押しに弱そうなので粘れば契約できそうな雰囲気。但し、お客さんにとって、「お客さまにとっては、この商品よりも明らかに他社の商品の方がよさそうだ」と感じていたとしたら、あなたならどうしますか?
「この1本で昇格だ!でも、お客さんのためにはなりそうもない…」
「このチャンスを逃すものか!でも、これじゃあ押し売りと変わらないじゃないか…」
どんなに良心的な営業マンでも、上記のように心の中で葛藤があります。
こんな時に人間的な判断ができるかどうかって、その人の教養に繋がると思いませんか?
営業の仕事をしていると、上記のような商談時以外にも、いろいろと自分が試されるようなことが沢山起きます。ですから、心掛け次第で教養を身に付けることが出来ますし、人間的成長にも繋がるというわけです。
まとめ
実は、上記の月末にあと1本売れたら昇格という状況は、私自身が経験したことがあるんですね。
今でもハッキリと思えていますが、月末の最終日の夜の商談でした。
これで売れば昇格が決定。当時に営業成績を競うコンテストでも上位に食い込めるチャンス。
目の前のお客さんは、粘れば契約できるタイプ。
(営業経験が長いと、こういうのが判るようになるんですよね)
ただ、私としては「この商品はお客さまにピッタリなものではない」と感じていたので、契約したら後味が悪いのが目に見えていました。
そして、私の結論は「自ら否決にすること」
もうね、今でもハッキリと覚えていますが、商談結果を上司に電話報告したら「鼓膜が破れるんじゃないか」という勢いで怒鳴られ「勝負弱い奴だ!」と罵られました。
でも、電話を切った後、私は清々しい気持ちだったんですよね。
「怒られはしたけど、売らなくてよかった」って。
「営業=お金(稼ぐ手段)」が悪いとは言いませんが、「営業→教養」に繋がるような仕事がしたいものです。