クーリングオフまとめ

電気小売り自由化が4月からスタートしますが、それにあわせて電気契約にクーリングオフが適用されることになったようです。

【参考】電気契約にもクーリングオフ 訪問販売と電話勧誘対象:朝日新聞デジタル

上記記事内にありますが、早くも消費者センターに214件もの相談が寄せられているとのこと…
全く、営業力がないからって強引なセールスはやめてもらいたいですね。

さて、話は変わりますが、クーリングオフ出来ない商品があるってご存知ですか?

意外と知らないことが多いクーリングオフ制度ですので、この機会にまとめてみました。


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クーリングオフ制度とは

クーリングオフ制度を一言で説明すると、契約したことに対して冷静に考える期間を与えることを目的とした制度で、定められた期間内であれば消費者は業者との契約を解除できる制度です。

もっとくだけた言い方をすれば、無知な消費者が業者に騙されたり、強引に契約させられた場合に保護するための制度といったところでしょうか。

クーリングオフと法律

クーリングオフは特定商取引に関する法律の中で認められており、以下のような文言が同法に記載されています。

書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。

出典:特定商取引に関する法律 – Wikisource


クーリングオフの可否

「そっか、特商法で認められているなら安心だ!」
実はクーリングオフはそんなに単純なものではありません。

そこで、クーリングオフが可能な場合と不可の場合についてまとめてみます。

クーリングオフ可能な取引

クーリングオフが可能な取引は以下の通りです。

  1. 訪問販売
  2. 電話勧誘販売
  3. 連鎖販売取引
  4. 特定継続的役務提供
  5. 業務提供誘引販売取引
  6. 訪問購入

訪問販売や電話勧誘販売などは判ると思いますが、連鎖販売取引や特定継続的役務提供については聞いたことがない方も多いと思いますので、それぞれについて簡単に解説します。

1.訪問販売

無店舗販売の一種で、販売業者のセールスマン(セールスレディー)が一方的に消費者宅に訪問し、訪問先で商品(権利、役務を含む)の販売活動を行う小売形態。

出典:訪問販売 – Wikipedia


判りやすく言えば、ピンポーンと自宅に営業マンが訪ねて来るのが訪問販売です。
また、路上で声をかけられるキャッチセールスも訪問販売に区分されているのでクーリングオフの対象です。

訪問販売にクーリングオフが適用されるのは、知識の無い消費者を言葉巧みに騙したり、高圧的な態度で強引に契約させる業者から消費者を守るためです。

但し、訪問販売でも自動車など一部の商品に関してはクーリングオフ適用外ですので注意が必要です。

2.電話勧誘販売
テレアポによる勧誘がきっかけで契約した場合もクーリングオフが可能です。
幼児用の英語教材や受験用の学習教材などの電話セールスを受けたことがあるのではないでしょうか。

電話勧誘販売にクーリングオフが適用される理由は、上記訪問販売の理由と同じです。

ちなみに、業者の店舗や事務所で契約したとしても、電話で呼び出されたのであれば電話勧誘販売にあたります。

3.連鎖販売取引

特定商取引法第33条で定義される販売形態のこと。日本ではマルチ商法、ネットワークビジネスなどと呼ばれることが多い。英語では”Multi-level marketing”(マルチ、マルチレベルマーケティング、MLM)あるいは”network marketing”(ネットワークマーケティング)と呼ばれる。

出典:連鎖販売取引 – Wikipedia


特定商取引法で、以下のような条件を全て満たす販売取引が連鎖販売取引とされる。
物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの
商品流通において、代理店、問屋という形をとる場合のような、広告をする、商品を在庫するというそれぞれの役割が分離されているものと異なり、それぞれのポジションがまったく同じ、商品の広告と販売と同じポジションになるべく人を勧誘することができることで、多段階式に連鎖していくことから名づけられる。

出典:連鎖販売取引 – Wikipedia


昔の友人から「いい話があるから、とにかく話を聞いてよ!」と呼び出され、会いに行ったらアムウェイやニュースキンなどの勧誘だったという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

連鎖販売取引にクーリングオフが適用されるのは、自分の利益のために知人や友人などに必要以上に大量の商品を購入させたりするケースが多いからです。

ただ、連鎖販売取引は特商法で厳格に規制されていますが、全てが違法ではありません。

4.特定継続的役務提供

「特定商取引に関する法律」(特定商取引法)第41条で定義される、次の各役務の提供、又はその役務の提供を受ける権利を販売することをいう。
対象となる役務
「エステティック」で期間が1か月を超えて、料金が5万円を超えるもの
「語学教育」で期間が2か月を超えて、金額が5万円を超えるもの
「学習塾等」で期間が2か月を超えて、金額が5万円を超えるもの
「家庭教師等」で期間が2か月を超えて、金額が5万円を超えるもの
「パソコン教室等」で期間が2か月を超えて、金額が5万円を超えるもの
「結婚情報提供」で期間が2か月を超えて、金額が5万円を超えるもの
(なお、上記、各役務には詳細な適用要件がある。)

出典:特定継続的役務提供 – Wikipedia


上記のようなサービスは「実際に通ってみたら聞いていた説明と違った」などのようなことが起こりうるのですが、中途解約が出来ず、高額なローン契約だけが残るというリスクが消費者にあるためクーリングオフが適用されています。

5.業務提供誘引販売取引

「特定商取引に関する法律」(特定商取引法)第51条で定義される、以下のような条件を全て満たす取引である。
業者が販売する広義の商品又は提供する役務を利用する業務により、顧客に対して利益(「業務提供利益」という)が得られるとして誘引(勧誘)する。
但し、この「業務」は、業者が自ら提供する業務、又は、業者があっせんした業務に限られる。
顧客に何らかの金銭的負担(「特定負担」という)がある。
広義の商品の販売若しくはそのあっせん、又は、役務若しくはそのあっせんに係る取引(取引条件の変更を含む)である。
ここで、「広義の商品」としているものは、物品の他に、施設利用権、役務の提供を受ける権利を含んだものである。

出典:業務提供誘引販売取引 – Wikipedia


業務提供誘引販売取引を簡単に言えば、「この教材を購入して勉強すれば、在宅で稼げるようになります!」など、今後の必要性を訴えて商品を売るようなサービスです。

業務提供誘引販売取引にクーリングオフが適用されるのは、契約したにも関わらず、いつまで経っても仕事が回ってこないというような被害から消費者を守るためです。

6.訪問購入

事業者が一般消費者の自宅等へ訪問して、物品の購入を行う取引のこと。

出典:訪問購入|特定商取引法ガイド


訪問購入にクーリングオフが適用されるのは、リユースや転売目的の業者に消費者が市場価格よりも大幅に安い価格て商品を買取られて損をすることから守るためです。

商品をすすめられるのとは違い、多少なりとも消費者は対価(商品を売って得るお金)を得られるので、引っかかりやすい取引形態です。

クーリングオフが出来ない取引

これまではクーリングオフ可能な取引形態について説明しました。
しかし、全ての商品にクーリングオフが適用されるわけではありません。

クーリングオフ適用外になるものには、大きく分けて以下の3つあります。

  1. 政令指定消耗品
  2. 訪問購入において適用除外となる物品
  3. その他
それぞれについて、更に詳しく解説しますね。

1.政令指定消耗品
政令指定消耗品とは、3千円未満の現金取引や使用または消費すると商品価値がほとんどなくなってしまう化粧品や健康食品などの政令指定消耗品で使用または消費したもののことで、これらについてはクーリングオフ適用外です。

【政令指定消耗品一覧】
  • 動物および植物の加工品でいわゆる「健康食品」等と呼ばれているもの(医薬品を除く)
  • 不織布、織物(幅13センチメートル以上)
  • コンドーム、生理用品
  • 防虫剤、殺虫剤、防臭剤、脱臭剤(医薬品を除く)
  • 化粧品、毛髪用剤、石けん(医薬品を除く)、浴用剤、合成洗剤、洗浄剤、つや出し剤、ワックス、靴クリーム、歯ブラシ
  • 履物
  • 壁紙
  • 配置薬

何故、上記の消耗品がクーリングオフできないかについて例をあげてみます。

健康食品の場合、さんざん食べたり飲んだりしておいて「やっぱり返します」というケースが考えられますよね。これでは業者側にリスクがありすぎます。また、配置薬(営業マンが訪問して置いていく薬箱のこと)は、置くだけなら無料ですので使わなければ消費者にリスクがありません。

但し、上記の消耗品であっても、業者が開封、使用、消費させた場合や、契約書に消耗品を使用した場合にはクーリング・オフができない旨の記載がない場合はクーリングオフが可能です。


もうひとつ例をあげますが、置き型の浄水器を販売している営業会社では、契約日に浄水器を設置し、使い方を教えたりして通水させることで「返品できない」と消費者に思わせる営業手法を取るところがありますが、高額な浄水器の場合は基本的にクーリングオフで返品可能です。(但し、クーリングオフをする場合は、少しでも早く浄水器を外して使わない状態にし、業者に連絡した方がいい)

【訪問購入において適用除外となる物品一覧】
  • 自動車(二輪のものを除く)
  • 家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く)
  • 家具
  • 書籍
  • 有価証券
  • レコードプレーヤー用レコード及び磁気的方法又は光学的方法により音、映像又はプログラムを記録した物

その他
上記以外にもクーリングオフ適用外になるケースを以下にまとめておきます。

  • 店舗や営業所に消費者が出向いて契約した場合
  • 通信販売
  • 事業者(法人)がビジネスのためにした契約
  • クーリングオフ期間を過ぎてしまった場合
  • 消費者が(自らの意思で)自宅に業者を呼んで契約した取引
  • 過去1年間に1回以上取引があった顧客の自宅へ訪問した取引(店舗販売業者)
  • 過去1年間に2回以上(訪問による)取引があった顧客の自宅に訪問した取引(無店舗販売業者)
  • 過去1年間に2回以上電話勧誘販売の取引がある顧客に電話をかけた取引
  • 書面による承認を受けて行った職場販売取引
  • 外国在住者との取引
  • 国や地方公共団体との取引
  • 雇用主とと組合員、従業員などの取引
※ 上記には例外的にクーリングオフが適用されることもあります。

クーリングオフは、無知な消費者が業者に騙されたり、強引に販売されることから守るのが目的ですので、消費者自らの意思で申し込んだことが明確なケース、また、それ以外でも業者間同士の契約や、業者と顧客との契約、日本の法律が適用されない地域に住んでいる方との契約などの場合は、クーリングオフは適用されません。

クーリングオフの期間

クーリングオフの期間は、特定商取引法9条に該当する訪問販売や電話勧誘販売に関しては8日ですが、連鎖販売取引は20日間、預託取引などは14日と取引形態によって若干の違いがあります。

ただ、それぞれ覚えるのは大変だと思いますので、「解約するなら8日以内!」と最低日数を覚えておくといいでしょう。

また、クーリングオフは、法定の申込書面が交付された日から8日間。
夜8時に契約した場合、4時間後の深夜0時を回った時点で1日とカウントされることになります。

クーリングオフのやり方

電話やハガキでクーリングオフしたい旨を業者に伝える消費者は多く、消費者センターを恐れて素直に解約に応じる業者が増えてはいますが、万が一のことを考えると内容証明郵便を利用した方が安心です。

何故なら、電話で「解約したい!」と担当者に言ったら、長時間に渡って解約を止めるように説得されたり、「ハガキが届いていません」と言い逃れする業者がいないとも限らないからです。

その点、内容証明は証拠として有効ですので、最悪業者と揉めた場合も安心です。

書面の具体的な書き方については、以下のサイトを参考にしてください。

【参考】クーリングオフ書面の書き方

クーリングオフになるの?Q&A

では、実際に良くあるケースを想定して、クーリングオフできるかできないかを考えてみましょう!

【ケース1】
デパートで洋服を購入。
ただ、家に帰ったら似たような服があったのでクーリングオフしたい!

▶ クーリングオフできません。
但し、返品や交換に応じてくれる可能性はあります。


【ケース2】
訪問販売で置き型の浄水器を購入。
業者がその場で設置したので、既に水をとしてしまったがクーリングオフしたい!

▶ クーリングオフできます!
但し、少しでも早く取り外して解約したい旨を伝えた方がいいでしょう。


【ケース3】
不用品買取業者から電話。
訪問してきた人に貴金属類を売ってしまったがクーリングオフしたい!

▶ クーリングオフできます!
8日間以内であれば、売った貴金属を取り戻せます。
また、契約しても気が変わったときの為に、クーリングオフ期間は貴金属を手元に置いておくのもOK


【ケース4】
資格を取れば在宅ワークで稼げるようになりますと言われて教材やPCを購入して半月(15日)経ったがクーリングオフしたい!

▶ クーリングオフできます!
内職商法は、特定商取引法では「業務提供誘引販売取引」といって、法定書面を受け取った日(質問その3:クーリング・オフはいつから数えますか?参照)から20日間はクーリング・オフができ、購入したパソコンも送料は事業者負担で返品可能です。


【ケース5】
既に持っている本をインターネットで間違って購入したのでクーリングオフしたい!

▶ クーリングオフできません!
通信販売にはクーリングオフ制度がありません。


【ケース6】
友人から「夢が叶う!」と勧誘され、健康食品や鍋などを購入した。友人を紹介すれば元が取れると言われたので、それから10日間勧誘したが誰も購入してくれないし、友人を怒らせてしまって縁を切られてしまったのでクーリングオフしたい!

▶ クーリングオフできます!
マルチ商法は特定商取引法で連鎖販売取引といって、法定書面を受け取った日、もしくは商品を受け取った日のいずれか遅い日から20日間はクーリング・オフすることができます。


営業マンだから知っているクーリングオフが適用されなくなるケース

ここからは営業マンでなければ知らないようなクーリングオフが適用されない事例をあげてみます。

書面の不交付

申込み書面または契約書面を受け取った日から8日がクーリングオフのルールですので、営業マンが書面を渡し忘れた場合などはクーリングオフは適用されません。

言ってみれば、いつでもクーリングオフ出来る状態が続いている状態です。

書類不備

契約日が記入されていない、押すべきところに捺印が無い。
こういう場合も上記と同じく「いつでもクーリングオフが出来る状態が続いている状態と言えます。

ただ、書類不備は正確には契約が成立していない状態です。

契約事項の欠陥

交付する契約書には以下の項目について表記されていなければなりません。

  • 販売価格
  • 代金の支払時期・方法
  • 商品の引き渡し時期
  • クーリングオフの告知
  • 販売業者の氏名又は、名称
  • 販売業者の住所
  • 販売担当者名
  • 契約日
  • 商品名
  • 商標又は、製造者名
  • 商品の型式、種類
  • 商品の数量
1つでも契約書に記載されていなければ、契約事項の欠陥になります。

当然、不備のある契約書ですので、クーリングオフの起算日の証明となる書面としては認められません。

不実の告知

事業者が消費者と契約を結ぶ際に、重要事項について客観的事実と異なる説明をすること。消費者契約法では、不実告知により消費者に誤認が生じた場合、消費者は当該契約を取り消すことができるとされる。「便利である」など主観に基づく表現は不実告知には当たらない。

出典:不実告知(フジツコクチ)とは – コトバンク


上記の引用にある通り、不実の告知がある場合は契約を取り消すことが出来ますので、事実上クーリングオフが出来るのと同じことになります。

売りたいがために営業マンがオーバートークを使った場合なども、不実の告知にあたる可能性があります。

本日のまとめ

今回はクーリングオフについてまとめてみました。
営業マンの方も消費者の方も知らないことがあったのではないでしょうか。

営業マンはクーリングオフにならないような契約をすべきですし、消費者は悪徳業者に騙されないようにして欲しいものです。


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