上場企業の攻略法

今日は、ベンチャー企業や中小企業の営業マンで、過去に上場企業との契約実績が無い会社で働いている方向けの情報です。

上場企業のイメージ

上場企業から契約を取る方法や具体的な事例などをお送りしますね。


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上場企業との契約が難しい理由

私はベンチャー企業の立上げメンバーをしたときに、上場企業との契約に漕ぎつけるのに3年かかりました。

最初の1年目は上場企業は狙いさえもしていなかったことを考慮してもも2年かかったことになります。

理由はいろいろありますが、以下のようなことが原因で契約の難易度が高いからです。

  • 新規の口座を作る際には信用調査などがある
  • 全ての決済は取締役会で決まる
  • 法務部などコンプライアンスやリスク管理部門が細かい
  • 社長と商談の機会を作るのが難しい
  • 年間予算が決まってしまっている
逆に言えば、上記のようなことをクリアーすることが上場企業攻略のに繋がります。

契約するための具体的な戦略

解説する営業ウーマン

では、上記であげた項目をひとつずつ掘り下げてみたいと思いますので、上場企業攻略のヒントにしてください。

新規の口座を作る際には信用調査などがある

「新規の口座を作る」という言葉があります。

「銀行じゃあるまいし…」と思う方もいると思いますが、新しい取引先を作ることをそう呼びます。(以下引用)

取引口座の開設とは銀行に口座を開設することではなく、企業間の取引を行うための手続きです。一般に大企業が中小・零細企業と取引する際に、取引相手が信用できるかどうかを審査し、継続的な取引をするに値すると判断されると取引先として登録され「取引口座が開設された」状態になります。

出典:初心者のための会社経営術: 取引口座の開設


そして、そのときに上場企業が行うのが信用調査です。

簡単に言えば、取引先として信用にあたりするかを調べられるわけです。
しかし、中小企業やベンチャー企業は上場企業のように情報公開が義務付けられていません。

従って、以下のようなことを独自の方法で調査されることが多いです。

  • 創業何年目か
  • 資本金
  • 業績
  • 過去の取引事例
  • コンプライアンス(反社会勢力などではないか、怪しい商品やサービスではないか)
  • 継続的な取引が出来そうか
当然ですが、帝国データバンクなどを利用した調査も行われますし、情報が少ない場合には、本社を見るために訪ねてくることもあります。(抜き打ちでくる場合もあります)

ですから、社歴が長く、資本金の額が多く、業績も順調で、取引事例も豊富にあり…

「うわ!絶対無理だ…」

こう思う営業マンがいるのも無理はありません。

実際、私がベンチャー企業で上場企業と商談をすると「資本金は?創業何年目?」と聞かれるのは当たり前でしたし、先方の会社の社員が偵察に抜き打ちで来たこともありました。(その当時は本社がワンルームマンションの1室だったので、即否決になりましたよ)

正直言って、こればっかりはどうしようもありません。
嘘をつくわけにはいきませんからね。

ですから、上場企業にアプローチするなとは言いませんが、創業1年目や取引事例がさほどないときはやめておいた方が無難です。

もし、万が一業務上先方に迷惑をかけてしまって訴えられるようなことがあれば、上場企業vsドベンチャー企業では勝負になりませんからね。

そういう意味でも、ある程度業務を行って「この状態なら上場企業と取引しても大丈夫だ!」となってからにしましょう。

資本金の額について
正直言ってこれも金額が多いに越したことはありません。
企業の体力を示す一つの指標ですからね。

但し、業態によっては資本金の額が少なくても契約出来ることもあります。
事実、私は資本金300万円のときに上場企業と契約しました。

業績や取引事例について
業績はいいに越したことはありませんし、取引事例も多いに越したことはありません。
しかし、大した業績や事例がない場合は困ってしまいますよね。

そういうときに、いい方法があります。
それは、フランチャイジーとの契約や取引実績を作ること。

フランチャイジーとの実績があると、その本部を紹介してもらうことで商談の機会をもらえるだけでなく、導入を真剣に考えてもらえる効果があります。

フランチャイジーは、1店舗や2・3店舗運営の比較的規模の小さい企業も多いので、ベンチャー企業の営業マンでも契約に漕ぎつけることは十分可能です。頑張ってみてください!

全ての決済は取締役会で決まる

上場企業は、たとえ社長であっても独断で契約することは出来ません。
ですから、即決は出来ません。

そうなると、営業マンの力が及ばないところで判断されてしまうという点で難易度が高くなります。

しかし、これに関しても攻略法がありますので、いくつかお教えします。

取締役と商談する
上場企業で社長と商談するのは非常に難しいです。
ですから、社長との商談を狙うのはやめましょう。
非効率過ぎます。

では、商談相手は誰にすればいいのかといえば、取締役の方です。
これは、私が法人営業をした経験則ですが、役員であれば商談を設定することは十分に可能です。

「でも、どうせ取締役会で決まるなら、誰と商談しても同じでしょ?」
こう思う人がいるかもしれません。

しかし、やっぱり平社員の方に提案するのと役員の方に提案するは違います。
社内での発言権や力の差は歴然ですからね。

取締役の方を商談で完落ちさせていれば、取締役会で頑張ってくれます!

「導入の確率はどのくらいですか?」と踏み込む
上場企業との商談では即決出来ませんが、それでも契約率を上げる方法はあります。
それは「導入の確率はどのくらいですか?」とズバリ踏み込んで質問すること。

商談相手が役員の方であれば、「この案件は役員会議で通りそうだな」とか「この案件が役員会議で通るには〇〇がネックになるな…」って判っています。

ですから、それを聞きだしてください!

何かしらネックになることがあっても、もしかしたら事前に対応できることかもしれません。

オーナー社長の上場企業を狙う
私が過去に経験した実話を例にお話しします。
オーナー社長の上場企業にDMを送ったら反響が来て、取締役の方3名と商談になりました。

そして、この商談が後にも先にも無いくらい難易度が高い商談だったんです。
理由は、3名の役員の中の取締役部長さんが、全く人の話を聞かないタイプで、どうにもこうにも…

「この人とは会話にならないな。この会社と取引している会社って、この部長さんをどうやって説得したんだろう…」

私は考えすぎて頭がいたくなりましたからね。

しかし、綱渡り状態でしたが、最終的には契約に漕ぎつけることが出来ました。
理由は何だと思います?

そうです、取締役会でオーナー社長が「私はこれを導入してみたい!」と言ったのが大きく影響して契約の方向に進んだのです。

上場企業は社長の所有物ではありません。
しかし、上場企業であろうともオーナー企業の影響は絶大です。


覚えておいてください。

法務部などコンプライアンスやリスク管理部門が細かい

上場企業はコンプライアンスを重視しますので、リスク管理部門や法務部などが置かれています。
そして、その部門の方々は1%のリスクも許容することはありません。

当たり前といえば、当たり前ですよね。
上場企業の社会的責任は大きいですし、万が一コンプライアンス違反などがあったら、自分の首が飛ぶのですから。

ですから、例えリスクではないとしても「これはリスクだ!」と思われないようにしなければ、提案は跳ねられてしまいます。

何を持ってリスクとするかは、先方の上場企業のリスク管理部門のさじ加減ですので、こちらでコントロールすることは出来ません。

しかし、以下のようなことに気をつけると、提案が通りやすくなる効果はあります。

  1. 有名企業の導入実績や事例を提示する
  2. 契約書の文言変更などに柔軟に対応することを伝える

1に関しては、説明するまでもありませんよね。
「あそこが導入しているなら大丈夫だろうな」と安心材料のひとつになります。
(但し、企業名を出すときは守秘義務などに気を付けてください)

そして、問題は2です。

これも、私の法人営業の経験からなのですが、上場企業の法務部は「何故、そんな細かいところを気にするの?」って不思議な契約書の文言変更を要請してくることがあります。

「別に、文言変えても意味変わらないじゃん!」
こんなケースは1度や2度ではありません。

もちろん、無条件で契約書の文言変更を飲んではいけません。
圧倒的に先方が有利になるような文言変更のときもありますからね。

しかし、特にリスクにならない文言変更なら柔軟に対応すべきだし、その旨を先方にハッキリと伝えましょう。

「どうしても出来ないことはありますが、契約書の文言変更なども出来るだけ柔軟に対応しますので」

これだけでも、法務部門の担当者の印象は違います。


そうそう、とあるマザーズ上場の企業と契約する際に、契約書の文言変更に10回ほど対応したことがあります。

最後の方は先方の担当者が「本当に細かくてごめんね」という感じになっていたので、「契約間違いないな」って思っていたら、その通り契約になりました。

リスク回避部門の担当者は見方につけるように心がけましょう。

社長と商談の機会を作るのが難しい

これは先ほど言った通り不可能です。
上場企業の社長が一営業マンとの商談のために顔を出すことはありません。

そうそう、上記のマザーズ上場の企業のときは社長が現れましたが、ほぼ契約が決まった上での最終面談のときでしたからね。

ただ、社長と商談が出来ないにしても、上場企業の社長のお力を借りる方法はあります。
それは、社長宛にDMを送ること。

もちろん、秘書などが事前にチェックしてゴミ箱行きの可能性もありますが、社長の手元に届くこともあるんですね。(届きやすくするためのテクニックがありますが、本題ではないので割愛します)

そして、社長がDMの内容に興味がある場合、このようなことが起こります。
「このDMの業者を呼んで話を聞くように!」

解りますか?
こうなると、社長命令ですので真剣さが違いますし、商談後に社長への報告義務が発生しまよね。

断然、この方が契約率はあがります。

年間予算が決まってしまっている

最後は、年間予算について。

ご存知の通り、上場企業では年間予算が決まっています。
ですから、「これはいいな!」と思っても予算の関係で導入出来ないことは往々にしてあります。

そうなると、営業マンが上場企業にアプローチできる時期は限られてしまいますよね…
では、例外はないのでしょうか。

そこで、考えて欲しいのは、モニターと成功報酬です。

「限定10社まで無料!」
これなら年間予算は関係ありません。

そして、モニターも立派な事例ですので、上場企業との導入事例として使えますよね。
今後の上場企業攻略のいい武器になります。

無料モニターの条件を「取引先としての導入事例の情報開示」にするなど工夫しましょう。


また、経費削減系の商材やサービスの場合、成功報酬にすると年間予算がある上場企業から契約が取れます。

どういうことかといえば、経費削減の効果が、導入コストを上回っていれる場合は、年間予算があっても問題にならないことが多いんです。

もちろん、商材やサービスによっては、導入コストが経費削減効果を上回ってしまうことがあると思いますので、そういう場合は決算を跨いで2回払いの分割にします。

つまり、今期の支払いは経費削減の効果分だけに限定し、残りは来期の支払いにすれば年間予算をオーバーすることはありませんよね。

※ 24回払いなどの分割にすることでも、年間予算問題をクリアー出来ますが、回収が遅くなるというリスクが発生します。

こればかりは、営業マンの独断で決めることは出来ませんが、上場企業攻略のために必要性を感じるのであれば、一度会議などで提案してみましょう。

本日のまとめ

今日お伝えしたことは、私自身が何のコネもないベンチャー企業で上場企業と取引ができるようになるまでの過程で実際に経験したことばかりです。

上場企業と取引をはじめるまでには、時間と労力がかかりますが、営業マンとして成長できるだけでなく、会社の信用アップなどの効果もありますので、攻略すべく頑張ってみてください!


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