このBHSシリーズは、私が経営コンサルティング会社の営業マンだったときのリアルを可能な限りそのままお伝えしています。

すったもんだ

さて、今回はクロージングでの激しいすったもんだをお送りします。

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テスクロで誘導するも失敗

私はいつもの商談通りに、契約の方向に誘導する形でテストクロージングをかけました。

「塾長!弊社のコンサルティングを導入するにあたり、1回だけ塾長のお時間を頂戴しまして、打ち合わせをお願いしたいのですが…」

私はどんなに状況が悪くても商談のセオリーから外れることはありません。
何故なら、全く手応えがない商談でもタイミング良くテスクロをかけて契約の方向へ誘導すると、成功することがあるからです。

しかし、この日は予想通りというか、テスクロの誘導は全く効きませんでした。

塾長から出た見下すような言葉

そして、しばらくの沈黙後、塾長が重い口を開きました。
「これ、上手くいかないこと多いでしょ」

完全に頭から決めつけている態度でした。
しかし、これで1つわかったことがあります。
「この学習塾のコンサルに入れば絶対にお金になるな」と。

というのは、私達が行っていたコンサル業務は、ほぼ100%の確率で結果が出ていましたので、「上手くいかない」と言う場合は、「自社では取り組んだことがありません」と言っているようなものだからです。

しかし、やはりすぐに応酬するのは得策ではないので、しばらく様子を見ることにしましたが、それも失敗でした。

「先ほどもいいましたが、私はこの業界に入る前はサラリーマンをしていましたので、いろいろと経験してきたんですよ。ハッキリ言ってこのコンサル業務は上手くいくはずがないどころか、下手すればトラブルになりかねないよね。」

塾長は更に続けます。

「こういう言い方は失礼かもしれないけど、お宅のような小さな会社に出来ることは、うちでも出来るからね」


このまま塾長に好きに話させておいてもいい方向へはいきそうもありません。

「やれやれ…」
正直言って私の本望ではありませんが、強烈に踏み込むことに決めました。

決裂寸前のすったもんだ

「塾長のおっしゃっていることは良く解りました…」
更に私はこう続けます。

「ただ、教えて頂きたいことがあるのですが、塾長がトラブルになると思われた具体的なケースをお教えください!」

先ほどまで静かに聞いていた営業マンが真剣な顔で突然切り替えしてきたので、塾長の表情も一変しました。しかし、プライドの塊のような塾長はいろいろと想定される想像上のトラブルの原因を並べ立てます。

私は、イチかバチかの勝負をしないと契約は絶対にないと直感していたので、塾長の言ったことを全てピシャっとシャットアウトしました。

「○○はどうなの?」
「○○に関しては◆◆なので一切問題ありません」

「□□は?」
「○○法の第○○条に○○という文言があり、コンプライアンス上も全く問題ありません」

こんなやり取りが10回以上は続いたでしょうか。

全てのネガに対し、しっかりとした根拠をもとに切り替えされて、ぐうの音も出なくなった塾長の顔面は真っ赤に硬直していました。

トドメの一撃

「ちょっと、やり過ぎたかな…」
こんなふうに少々思いましたが、ここまで来て後には引けません。

完全に黙り込んで不機嫌そうな塾長に対して私はこう言いました。

「塾長。大変申し訳ないですが、塾長がおっしゃったことは全て素人丸出しの質問です。コンサルが必要ないような自社でしっかりと取り組んでいる会社様であれば、今日のようなやり取りにはなりません。」

「ですから私は確信しました。素人考えでいろいろおっしゃらずに、プロである弊社にお任せください!」

このあと、どのくらいの沈黙だったのか覚えていませんが、すごく長く感じたのだけは間違いありません。

「そこまで言うなら、○○教室と○○教室で結果を出してもらいましょうか…」

私の愛社精神と営業マンとしてのプライドが、塾長を上回った瞬間でした。

正直、後味がいい契約とは言えませんが、私は外せない商談を苦戦の末に契約することが出来たのです。



その後、この学習塾では、私の想像以上のコンサル業務による結果が出て、追加で他の教室全てのコンサルの追加依頼も頂きました。

商談はかなりしんどかったですしかなりの力技でしたが、諦めずに契約して良かったです。