契約後の途方もない業務と繰り返される地獄 BHS第26回

このBHSシリーズは、私が経営コンサルティング会社の営業マンだったときのリアルを可能な限りそのままお伝えしています。

地獄

今回は名古屋の大企業との大勝負の完結編です。

しかし、起業には紆余曲折いろいろあるとは思っていましたが、また地獄が繰り返されるとは思ってもいませんでした。


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先方からの契約の電話

RRRRRR…
名古屋の企業との商談後1週間以内だったと思います。

「御社にお願しようと思いまして!」
そうです、何と名古屋の大企業からコンサル契約を締結したいという返事を頂いたのです!

これには創業メンバー4人は大喜び!
大人4人が飛び跳ねて喜んだのを覚えています。(こういう高揚感って、ベンチャーならではだと思うんですよね)

何しろ、私達が最初に取り掛かる1事業部だけでも数百店舗あります。
成功報酬のコンサルとはいえ、問題なく業務をこなせば数千万単位の売上が期待できる案件でした。

しかし、社長のTは喜んでいる反面、何かを考えています。

「どうしました?」
私の質問にこのような返事がかえってきました。

全員缶詰で調査業務に集中

「明日から全員缶詰で調査業務をします!」
コンサルティングといえば、恰好はいいですが出たとこ勝負で出来ることではありません。ましてや、私達の会社で行っていたコンサルは入念な事前調査無しでは行えません。

ですから、社長は営業担当の私にも営業をストップしてまで調査業務を手伝って欲しいと言い出したのです。

一瞬私の脳裏に「全員で調査か…」という疑問が湧きましたが、先方の案件数と私達のキャパを考えたら全員で取り組む以外にありません。全員がかりでも「どのくらいかかるんだろう…」というとてつもない調査量です。

「でも、今この状態で新規のクライアントを獲得しても意味ないしな…」

私も含め4人でも調査業務がはじまりました。

繰り返されるベンチャー企業への洗礼

さて、翌日から調査業務がスタートしました。
朝から晩まで全員で調査をすすめていたのですが、やってもやってもキリがないほどの調査量です。

もともと外回りが好きなこともあって営業の仕事を続けてきた私にとっては地獄の毎日でした。しかし、それは全員同じですし言っても始まりません。

それに、立上げ以来やっとつかんだビッグチャンスです。
この案件のコンサルを成功させれば、大きな売上はもちろんのこと、お金には変えられない経験も数多く得られます。


しかし、そんな私達を地獄の底に突き落とすような洗礼が待っていました。

とある日のこと、真っ白な顔色をした社長のTが私達にこう言いました。
「今の調査は終了です。先日契約になった名古屋の○○(会社名)から、業務ストップの連絡が入りました…」

「何でですか?」
納得のいかない私達に社長のTはこう続けました。

「実は、先方の別事業部で過去に私達と同じようなコンサルティング会社と取引をしてトラブルになった経緯が発覚したらしいのです。それで、契約を白紙に戻すということらしいです…」

実は私達が立ち上げたコンサルのビジネスモデルは「成功報酬」だったので着手金などはありません。コンサルティングが成功して先方の会社にメリットが発生した場合のみ報酬を頂くという契約なので、必然的にこれまでの調査にかけた時間や費用がパーになったというわけです。

当然、調査中営業を完全ストップしていましたので、次の当て(クライアント)もありません。

起現時点で売り上げもなく既に地獄をみている私達をビジネスの神様はまたもや突き放したのです。

悲劇から得た教訓

このときのショックは今でも忘れませんが、悲劇の中からも教訓を得ることが出来ました。
それはビジネスというのはバカ正直ではなく、クレバーにすすめるべき時もあるということです。

今回の件では、数百店舗の事前調査を全て終わらせてからコンサルに入るというバカ正直なやり方をしてしまいました。しかし、考えてみれば調査が終わった店舗からコンサルに入って成功事例を作ってしまうべきだったのです。

理由は2つ。

成功報酬ですから、コンサルで結果を出さない限り売り上げは上がりません。1店舗でも2店舗でも結果を出すべきでした。もしかしたら調査費用の一部くらいはペイできたかもしれません。

次に、成功事例があれば取引停止にならなかったかもしれません。事前にトラブルがあったとはいえ「今度のコンサル会社はしっかりしているし、事実成果も出ている」こんな既成事実があれば取引が続いた可能性がありますよね。

私達はビジネスの経験不足から、バカ正直に「調査業務を全て完結させてからコンサルに入る!」と自分たちでキッチリと型にハマり過ぎたのです。


さて、こんなこともありましたが、初年度にほどんど売上がないままいつ倒産してもおかしくない状況が続くのでした。


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