同行営業からの卒業 BHS第22回

最初は嫌で嫌でしょうがなかった同行営業にもすっかりと慣れ、逆に楽しめるようになっていました。

しかし、とあるデモ(商談)がきっかけで突然の卒業を迎えます。

話さない営業マン

それは、神奈川県の学習塾の本部へ営業へ行ったときのことでした。


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再訪は予想外の展開だった

「今日は熱いデモ(商談)になるんじゃないですかね!」

初デモで先方の会社の次長の反応がめちゃくちゃ良かったのと、「2回目は上席に会わせて頂ける」ということで楽しみにして営業へ向かいました。

企業名は言えませんが、この会社はかなりの数の教室を展開しているので、契約になれば大きな売り上げに繋がります。

「そろそろ、行きますか!」
そういって気合十分で先方のオフィスに乗り込むと、1回目の商談のときと同じく少し狭い商談スペースへと通されました。


「お待たせしました。部長の○○です!」

初デモで商談した次長が紹介してくれたのは、ちょっと気難しそうな感じの女性部長。
見た感じのイメージは「ざーます系」

そして、もっと驚いたのが猜疑心バリバリでめちゃくちゃ話し続けるタイプだったんです!
隣に座っている次長の反応とあまりに対照的過ぎて具合が悪くなりそうな勢い…

「まあ、そんなにおいしい話は転がっていないよね」
こんなふうに考えながら、とりあえず聞き役に回りました。

イチかバチか腹を決めた!

この女性部長。
どのくらいはなし続けるかといえば、名刺交換したあと全然話をさせてくれません。

事前に次長からおおよその話を聞いていたのかもしれませんが、それにしたって提案書も広げさせてくれないのです。


基本的に私は商談で相手に主導権を渡すことはありません。
どんなに難しい相手でも、グイグイと手綱を引いて主導権は離しません。

しかし、この日はいつもとは違う何かを感じていました。
「感情的になっているうちに切り替えしても、話はまとまらなそうだな…」という直感が働いたのです。

そして、腹を決めました。
「相手が気が済むまで一切口をはさむのはやめよう」

しかし、予想を超えて女性部長は話しつづけました。

45分の沈黙後の反撃

通常のデモであれば、最初から最後まで説明して30分。
あとは先方からどれだけ質問があるかによって変りますが、長くても1時間で終わります。

しかし、この日はスタートしてから45分間、先方の部長が話しています。

「このまま終了か…?」
少しこんなことが頭を過ぎった頃に先方の部長に変化が現れました。

そうです、言いたいことを全部言いつくしたのです!
また、ずっと黙って何の反論もしない私達に対して、最初会ったときの強烈な猜疑心が若干ではありますが弱まっていました。

チャンス!
そう思った私は、ゆっくりと落ち着いた感じでこう言いました。

「それでは部長。これまでの部長のお話しを踏まえた上で何点かお話しさせて頂きますね」

返報性の法則も働いていたのでしょう。
15分という短い時間で女性部長を完落ちさせて、次回の社長や役員との商談の約束を取り付けることに成功しました。

定食屋で迎えた同行営業からの卒業

「腹減りましたね。何か食べていきません?」
社長のTがこう言うので、私達2人は近くにあった大戸屋(定食屋)に入りました。

「それにしても、白井さんずっと黙ってるから今日はどうなることかと思いましたよ」

こう言ってきた社長のTに私はこう答えました。
「話さないほうがいいって直感が働いたんです…」

「いや~、それにしても素晴らしかった」
社長は45分間ずっと相手に話をさせ、最後の15分で話をまとめ上げたことに対して感心しているようでした。

「それにしても、白井さんって、ああいうデモ(商談)も打つんですね!」
確かに私はドンドン踏み込んでいく商談が多いので、社長には意外だったようです。


そして、この日の私のデモを見て信用してくれたのか、毎回毎回の同行デモは卒業となりました。

先にも後にも、社長のTほど一緒に商談に言った人はいませんので、今となってはいい思い出です。


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