ライバル会社と契約寸前の状況という難しい紹介ですので期待はしていませんでしたが、実際に商談してみると「可能性がゼロではなさそうだ」ということが分かりました。

そうとなれば、勝負する以外に選択肢はありません。

それに、私には他業者とのバッティングで負けたことが数えるほどしかないというプライドがありますし、今回の相手は業界No.1を競っているライバル会社だったので尚更です。

さて、このような難しい状況の中、どのように契約まで漕ぎつけたかの全てをお教えします!

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私が経営コンサルティング会社の営業マンだったときの実話をもとに、法人営業の奮闘記としてシリーズ化した法人営業物語。

今回は、どのように商談をしたかについてお話しします。

他社潰しではなく、割り込みしかない

割り込みのイメージ

通常、他社とバッティングした場合、相手を潰すことで自社と契約させるように持っていくのですが、今回は「役員会議で稟議が通ってしまった後」ですので、セオリー通りの他社潰しはできません。

そんなことをすれば、その企業を役員会議にかけた担当者の判断を全否定することになりますからね。ですから、同業他社との違いを打ち出し、本気でうちを気に入ってもらうことに集中することにしました。

幸い、同業他社は拡大路線を突き進んでいて、多角経営化していたので差別化は簡単です。


担当者:「〇〇社(ライバル会社名)と〇〇さん(自社名)では、どこが違うの?」

私:「はい、〇〇の業務をやっているという点に関しては全く同じです。敢えて違いをあげるとすれば〇〇さん(ライバル会社名)は、最近〇〇の業務だけではなく、M&Aをはじめとした総合コンサル会社になる方向に舵を切っていますが、弊社は〇〇の業務の専門家集団として特化しているところですね!」


事実を利用して差別化するのは簡単です。

その後も「少数精鋭の専門家集団」を要所・要所で強めに打ちだしながら商談を進めたのが功を奏したのか、明らかに商談相手の担当者が私の話を聞く雰囲気が変わってきました。

ただ、決め手にかけるんですよね。
もう一押し足りないんですよ。

そんな状態を変えるきっかけになったのが、私から営業部の責任者の座を奪ったOさんが作成した料金説明のページでした!

専門家集団の仕事のクオリティーの高さを裏付ける

今回、バッティングしている同業他社と大きな違いのひとつに料金がありました。うちの方が17%くらい報酬が安いんです。

勧めているサービスが経費削減系のサービスだったので、通常のバッティングの際には「どうせ経費削減するのであれば、報酬も安く抑えた方がいいと思いませんか?」が決め台詞になるのですが、今回は役員会で稟議が通った後ですから、価格の違いを持ち出したところで意味がありません。

ですから、料金説明に入って商談がどんどんと終了に近づくにつれて、「何かないか?」「このままでは保留後否決になってしまう…」のように焦りを感じてきました。

そんな状況の中、商談相手の担当者が提案書の料金説明のページを見ながらこう言ったんです!

「う~ん、このページは本当に素晴らしい!よく考えられてますね!!」

実は、この料金説明のページは、ただ分かりやすく料金が書いてあるページとは違い、経費削減を外注すると、1年後、3年後、5年後にどれだけのメリットがあるかを解りやすく視覚化した秀逸なページだったんです。

私がアイデアを出し、それを同じ営業部のOさんが作りこんだものなのですが、そのページの素晴らしさに気が付く方は多くはありません。(たいていの方は気が付かないものの、そのページでお得感を感じ、その後のテスクロで契約へと誘導されるという方ばかりです)

「へえ、この担当者、なかなかの切れ者だな…」

自信作の料金説明のページを褒められた嬉しさと、そのページの狙いを見抜いた担当者に感心していたのですが、その時「これだ!」というアイデアが浮かびました。

そして、勝負をかけたんです。

「〇〇さま。この料金説明のページひとつを見ても、弊社の業務のクオリティーの高さはご理解いただけるのではないでしょうか?」

すると、担当者は次のように言いました。

「確かに、うちも見習わなくちゃ!」

「よし!あと一歩だ!!」

こう思った私は、更に勝負をかけました。

ライバル会社と勝負させてください!

料金説明のページや自信満々に話す私の様子などから、「この業者って、いい仕事するんじゃないかな?」と商談相手の担当者に思ってもらうところまで持ってこれたからには、この商談を何としてでもモノにしたいところです。

そこで、私は次のように勝負をかけました。


私:「〇〇さまに申し上げたいことがあるのですが、経費削減というのは何度も何度も出来るものではありません。ですから、やるからにはキッチリと限界ギリギリまで削減することが大切なんですね!」

担当者:「・・・・・」

私:「でも、こればかりは結果が出ないと分からないというのが正直なところじゃないですか!ですから、〇〇さん(ライバル会社名)と弊社にテストケースとして案件を振って頂いて、結果のいい方とその後も継続して取引するというのはどうでしょうか?」

担当者:「そこまで言うということは、〇〇さんに勝つ自信があるってことですか?」

私:(ニコッとしながら)「自信がなければ、こんなことは言いません!」


更に、私は次のように畳みかけました。

「後から弊社を推す〇〇さま(担当者の名前)のお立場が悪くなるようなことは絶対にありません。今回のお話を通して頂けたら結果でお返しします!」

これで落ちました。

完全にスッキリとした表情になった担当者は「わかりました!稟議書を上げてみましょう!」と約束してくれたのです。

ただ、この企業と契約するにあたり、まだまだいろいろありましたので、その件に関しては次回お話ししますね!

この記事から営業マンに学んでもらいたいこと

「同業他社と契約する」ということが役員会議で稟議が通ってしまった状況の案件に当たったときに、「これは無理だ…」と諦める営業マンと、「何か割り込む方法はないか」と可能性を探る営業マンとの間には、埋められない程の差がついてしまいます。

以前に、こんな記事を書いたことがあるので読んでみてください。

【参考】トップセールスマンの思考回路はこうだ!アフリカに靴を売る話

正直に言えば、この紹介案件を貰ったとき「これは無理じゃね?」と思っていました。

ただ、わざわざ本部を紹介してくださった社長の気持ちを無駄には出来ないという気持ちの後押しがあって動いてみたところ、意外にも割り込む余地があったんです。

もちろん、歩合給の営業マンが「可能性の低い案件」は避けたいという気持ちは分かりますし、優先順位をつけるべきだとも思いますが、数字に余裕があるのであれば、自分の成長のためにチャレンジ案件にも取り組むべきです。

私自身「これは無理だろうな…」と思うような難しい案件を契約にするたびに大きく成長してきた実感があるんですよね。

難し案件に巡り合ったら「待ってました!腕の見せ所だ!!」と燃えるような営業マンになってください!