教材販売会社に入社して1ヶ月。

初月の報酬は60万円とまずまずの結果でしたが、月収100万円には40万円も足りません。

また、フルコミですから最悪報酬がゼロというリスクもありますし、動けば動くほどガソリン代や携帯電話代などの諸経費がかかるので、稼げるだけ稼ぐ必要があります。

「さて、新人営業マンの俺が更に安定して稼ぐためにはどうしたものか…」

そこで、先輩営業マンを引きずり下ろすことにし、一人目のターゲットを決めたのです!

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この訪問販売物語のシリーズは、営業マンのみなさんの参考になればと、私の過去20年間の営業人生(BtoCのとき)を出来るだけリアルに振り返った物語です。

先輩営業マンを引きずり下ろすと聞くと残酷だと思うかもしれませんが人間社会も弱肉強食です。

私がどんな先輩社員をターゲットにしたか、またどうやって引きずりおろしたかについてお話ししますね。

所長のアポ振りに不満を持っているK社員

不満を抱える営業マン

私が所属している営業所は、全国の営業所の中でもトップクラスの数字を上げ続けています。しかし、たったの5人しか営業マンはいません。典型的な少数精鋭の職場です。

ですから、年収3000万超を稼ぎ続ける伝説の営業マンをはじめ、年収2000万円、年収1500万円など、上位4人は年収1000万円オーバーの強者揃いでした。

ただ、5番目のK社員は年収700万円と上位4人に比べると実績に差があったんです。

「引きずり下ろすなら、まずこの先輩だな…」

ただ、私の感覚では営業力がないタイプには見えません。イケメンでスーツもビシッと着こなしていますし、話し方やしぐさなどからも売れる営業マンの要素たっぷりです。

「この人だったら、もっと売れていてもおかしくないけどな…」

相手に勝つためには、まず相手のことを知るというのはセオリーです。その先輩をターゲットにすると決めた日から、私はじっくり観察し始めました。

そして、その先輩社員のウィークポイントを見つけたのは、ある日の給湯室の会話だったんです。


終日自アポの日に給湯室で休んでいると、K社員が外出先から戻ってきて一服するためにやってきました。

「今日も留守だったよ…」

社アポは数字のいい営業マンから優先的に振られていきますので、5番目のK社員には必然的に質の悪いアポが集まります。(本数自体も少ない)

「数字がいい順にアポを振るのは分かるけど、Tさん(トップセールスの名前)にいいアポ集めすぎなんだよ…」

明らかに所長のアポ振りに対して不満を抱えています。

「これだ!」

私は、このK社員は簡単に追い抜けると確信しました。

毎月1本目のオーダーを自アポで

K先輩を引きずり下ろす方法はいろいろあります。

不満話に乗っかったフリをしてマイナスを増大させる、所長とツーカーで唯一いろいろと教えてくれるNo2のおばちゃん営業マンにチクるなどのK社員の発言を利用する方法、または「K先輩!アポが無いとか不満言ってないで自アポでもすれば?」のようにあからさまに敵意むき出しでプレッシャーをかける方法など。

でも、私は新人営業マンですので、やり方を間違えれば自分にブーメランが返ってきます。

ですから、「毎月1本目のオーダーを自アポで出来るだけ早く上げる!」という作戦で行くことにしました。

所長は「自アポを取った社員にはいいアポを振る!」と公言していたので、このやり方であれば誰にも咎められないような健全な戦い方で、先輩社員を引きずり下ろせますからね。

そして、初月、2か月目、3ヶ月目と、1本目のオーダーを自アポで上げただけでなく、月が変わって3日以内に毎月自アポオーダーをあげました。

所長は公言通り質のいい社アポを私に回してくれたので、数ヶ月でK社員の数字をあっさりと追い越してしまったんです!

去っていく先輩営業マン

私に数字で負けたK先輩は、その後すぐに会社に対して辞表を提出しました。多分、これまで以上に社アポが回ってこなくなるという現実を受け入れられなかったのでしょう。

K社員が退社する日、給湯室で声をかけられました。

「まさか、お前にあっという間に負けるとは思ってもいなかったよ。でも、毎月自アポオーダー上げてるから文句ないよ。頑張ってな!」

私が一番最初に引きずり下ろすターゲットにしていたことを知らないK社員は、こう言って去っていきました。

「油断したら自分もいつK社員のようになるか分からないな…」と身震いしたのを覚えています。

営業マンに学んで欲しいこと

今日の話に出てきたK社員もそうですが、営業会社で結果を出せずに去っていく人って「やりきっていない人」ばっかりなんですよね。

社アポがないなら自アポをすればいいだけじゃないですか。

でも、自アポから逃げ続けるだけでなく、そういう自分の弱さを認めずに「社アポが回ってこないから」と会社や上司のせいにする。

これでは営業マンとして成功できるはずがありません。

あなたの周りの同僚や新人営業マンは、あなたを引きずり下ろそうと虎視眈々と狙っているかもしれません。

甘えている人間は、そういう肉食タイプの営業マンの餌食になるだけです。