この訪問販売物語のシリーズは、営業マンのみなさんの参考になればと、私の過去20年間の営業人生(BtoCのとき)を出来るだけリアルに振り返った物語です。

さて、全国レベレの数字を上げられるようになり、飛込み営業でありながら毎月の数字(報酬)が読めるようになって安定してきた頃に事件が起きました。

それは、お客さまからの1件のクレームです。
私は、そのクレームがきっかけで会社を辞めることにしました。

そのときのことをリアルにお伝えします。

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オプションを売りまくっていたのだが…

この会社では、主力の換気扇フィルター以外に、キッチン周りの便利商品と新築物件用にオプションサービスが用意されていました。

換気扇フィルターだけでも十分に稼げますが、やはり爆発的に数字を上げようと思ったら1件単価をアップする必要があるので、新築物件のときはオプションサービスを売りまくっていたんですね。

その中に「壁コート」と「床コート」というサービスがありました。解りやすく言えば、新築の綺麗な状態のときに壁や床をコーティングして、汚れや傷から守りましょうというものです。

これが、本当によく売れたんです!

「新築ですから、この際やっておきましょう!」のような何の捻りもないクロージングでビシバシ決まるのですから、営業マンとして売らない手はありません。

しかし、あるとき私の顧客からクレームの電話が入ったんです…

お客さんの言い分が100%正しいクレーム

クレーム電話

私のお客さんから「すぐに担当者を来させろ!」と、もの凄い激怒した状態でクレームの電話をしてきたということで、その日の営業活動を中止して即向かいました。

ピンポーン!

ドアホンのボタンを押すと、明らかに不機嫌そうな声で「ちょっと、待ってて」と言われ数十秒待ちました。それにしても、こういうときって数十秒がめちゃくちゃ長く感じます…

ガチャ!!

出てきたお客さんの顔は、ニッコニコで契約したときと別人のように曇っており、今にも不満が爆発しそうな状態です。「まあ、入ってください…」と言われ玄関に足を踏み入れた瞬間、お客さんの怒りが爆発しました。

「お宅の会社は約束も守れない会社なのか?」

激怒しているのは、以下のような理由からでした。

壁コートや床コートは、家具があると邪魔で作業が出来ません。また、家具を搬入する前にやるから意味があるのですが、どうやらこちらの手違いによって約束の時間に大幅に遅れてしまって、作業員が来たときには家具が搬入されてしまった後だったらしいのです。しかも、作業のために家具と一緒に追いだされ、寒い中待たされたことに対して激怒していました。(家族みんなで風邪を引いてしまったとのこと)


私はすぐに謝罪をすると共に、会社に確認を取ったのですが、お客さまの言う通りだというじゃないですか。「これは怒るのも当然だ…」と思ったので、怒鳴られようが何を言われようが謝り続けるしかありません。

何分くらい経った頃でしょうか。
お客さまから予想もしていないようなことを言われてハッとしました。

「疑いたくないけどさ、作業はしっかりとやってくれたんだろうね?」

考えてみれば、お客さまのお宅に上がりこむのは契約のときだけで、壁コートや床コートの施工後を確認したことはありません。

「こういう機会もなかなかないな!」と思ったので、「少々お時間を頂けますか?」と了承を得て、家中の壁や床をチェクしたのですが…

結論から言えば、私が思っているよりも、作業のクオリティーはずっと低いものでした。

家具の下などもコーティングはしてありましたが、目立たないところに塗り斑があり「お世辞にも綺麗な仕上がり」とは言えない状態だったんです。

多分、時間に遅れて行って怒られたので、作業員もいつもに増してスピードアップしてコーティングしたのでしょう。

ただ、遅れたのはこちらですので、言い訳にはなりません。

もちろん、たまたまこのお客さんのところだけなのかもしれませんが、「俺が勧めていたオプションって、こんなクオリティーだったんだ…」とショックを受けたのを覚えています。

商品への愛着がなくなり退職を決意

私は、この会社の商品を好きなことが、毎日の飛込み営業を続けられたモチベーションのひとつだったので、今回のクレームでテンションがガタ落ちしました。

この頃は、20代と若かったこともあり、急激に冷めちゃったんですよね。

あとは、前々から持っていた「もっと商品単価の高い商材を扱ってみたい!」という願望も合わさり、あっという間に退職してしまいました。

営業マンが学べること

仕事が嫌だったらすぐに辞めるのがいいとは言いません。

しかし、自分が扱っている商品やサービスがお客さまのためにならないとしたら、それを営業マンは売るべきでしょうか。個人的には、そんな商品やサービスを扱う会社にしがみつく必要はないと思います。

やっぱり、営業マンは胸を張って勧められるものを売るべきだと思いませんか?