「意識高い系」という言葉が登場してどの位になるだろうか。

意識が低いよりは高い方がいいが、汗を流したり、泥臭い努力はせず、自分を少しでも良く見せるために演出することに一所懸命な若者は滑稽に見えることがある。

当然だが、意識高い系の人が営業の仕事を好むことはなく、また、そういう人間が営業マンになっても理屈ばっかりで行動が伴わないので、会社のお荷物になる可能性は高い。

最近、つくづく思うことがある。

それは「一見すると無駄や非効率に見えるが、実は無意味なものなんて存在しない」と。
だから、人間力をつけたければ無駄や非効率を受け入れるべきだ。

今日はそんなお話しを。

スポンサーリンク

合理的で最短距離が必ずしも素晴らしいわけではない

無駄

最近、歩くことを意識している。

それは、年齢的に健康が気になりだして運動量を確保するという意味もあるが、電車や自動車からは見えない景色が見れたり、気が付かないことに気が付くことが多いからだ。

もし、移動を合理性だけに基づいて考えれば、徒歩は最も時間がかかる非効率で無駄な行為ということになってしまうが、実際に歩いてみるとそうでもないことに気が付く。

また、時間効率ばかりを考えて長年過ごした結果、生活習慣病にでもなってしまったら目も当てられないことを考えれば、歩くことが全くの無意味とは言いきれないだろう。


先日、コンサルをしている会社の若手営業マンがこんなことを言っていた。

「現代の営業はITなどをフル活用して効率よく行うべきだと考えます。飛込みやテレアポなどは非効率だし、相手のお客さまに嫌われるだけでいいことはないと思います。」

ごもっとも(笑

ただ、この営業マンがどのくらいの業績を上げているかというと、首にはならない程度ではあるが営業マンとして胸を張れる数字には程遠い。

「典型的な意識高い系だな…」と思ったので、今でも強烈に記憶に残っている。

私が法人営業の営業マンとして成功した理由

当ブログの読者であればご存知だと思うが、私は今の会社を立ち上げる前に友人に誘われて経営コンサル会社の営業部の責任者をした経験がある。

資金は社長の個人資金200万円、何のコネも宛もなく、ITなどのサービスに詳しかったり使いこなせる人間もいなかったので、検索エンジンでターゲットになりうる会社をピックアップした情報をエクセルシートにまとめ、片っ端からテレアポしていくという営業をしていた。

それこそ、最近の意識高い系の若者からしたら「非効率極まりない最低の戦略」だと思うだろう。

しかし、資金もコネもないベンチャー企業が出来ることは、その位しかなかったので選択肢はない。結果的には最初の1年間はほぼ売上無しのド低迷だったが、2年目以降は倍々で売上を伸ばして、黒字経営の超優良会社に成長できた。

非効率な戦略でも大成功できたといわけだ。

そして、その快進撃を支えたのが、創業1年目の無駄や非効率だったと思う。もし、1年目からある程度売り上げがあり、楽をしていたらどうなったかと思うとゾッとする。


それだけではない。

私が法人営業をしたのは、その会社が初めて。しかも、ドベンチャーで何の信用も無い経営コンサル会社の営業マンとして企業の社長と堂々と渡り合えたのは、それまでの訪問販売時代の営業経験があったからだ。

訪販を経験した営業マンなら分かると思うが、その現場は毎日が戦いだ。

毎日足を棒にして一日中飛び込んでも留守や居留守の連発。やっと人に会えたと思っても「けっこうです!」のひとことで撃沈。なかには営業マンを悪者のような目で睨みつけてきたり、「警察に電話するわよ!」と怒鳴られることすらある。

じゃあ、会社はどうかと言えば現場よりも居心地は悪い。

売れない営業マンは徹底的に詰められ、疲れて帰って来ているのに夜遅くまでロープレやお説教で帰らせれもらえない。

私は幸いどの会社でも営業成績が良かったので、自分自身がお説教の標的になることはあまりなかったが、連帯責任を問われて叱られたり、売れない営業マンのロープレ相手としてつき合わされるので結局帰ることができない。

本音を言えば「バカらしい」と思えるような状況だらけだったが、そのような環境で鍛えられた経験が法人営業で非常に役に立ったのは事実だ。

そうそう、今でもハッキリと覚えているが、法人営業のテレアポ初日に「マジかよ!法人営業って天国だな!」と思った。理由は、個人宅のような乱暴な断り方をされることがほとんどないからだ。

訪販でさんざん地獄を経験していたので、法人営業は楽勝だったのだ。

訪販時代に壮大な人生の無駄遣いをしたと思っていたが、後々こんな形で経験(無駄や非効率)が活きてくるとは思ってもいなかった。

最後に

営業マンは「人間力」だと言われても、「人間力ってどうやってつけたらいいの?」と思う方も多いと思う。

いろいろ方法があるのは事実だが、そのひとつは「無駄や非効率」であることは間違いないので覚えておいてもらいたい。